こんばんは。
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
先週《古い図書館:村上春樹の小説に登場するモチーフ》
というタイトルのブログを書きました。
とっても好評だったので
今週も書いてみますね。
今日は“猿の檻のある公園”
先週書いた古い図書館の
すぐ南にあります。
この公園が登場するのは
デビュー作の“風の歌を聴け”のなかで
“僕”と“鼠”が初めて出会う、重要なシーン。
ちょっと小説を引用しますね。
『僕が鼠と初めて出会ったのは
3年前の春の事だった。
それは僕たちが大学に入った年で
ふたりともずいぶん酔っぱらっていた。
だから一体どんな事情で
僕たちが朝の4時過ぎに
鼠の黒塗りのフィアット600に
乗り合わせる羽目になったのかまるで記憶がない。
共通の友人でもいたのだろう。
ともかく僕たちは泥酔して
おまけに速度計の針は80キロを指していた。
そんなわけで
ボクたちが景気良く公園の垣根を突き破り
つつじの植え込みを踏み倒し
石柱に思いっきり車をぶつけた上に
怪我ひとつ無かったというのは
まさに僥倖というより他無かった。
ボクがショックから醒め
壊れたドアを蹴飛ばして外に出ると
フィアットのボンネット・カバーは
10メートルばかり先の
猿の檻の前にまで吹き飛び
車の鼻先はちょうど石柱の形にへこんで
突然眠りから叩き起こされた猿たちは
ひどく腹をたてていた。』
そうです。
ここの公園には猿がいました。
ずっと昔ですが。
ボクも、近くに親戚宅があったので
小さな頃、猿を見に時々いきました。
たしか“お猿公園”
と呼ばれていたっけ・・・
その後、クジャクなども飼われていたようですが
今は何もいないようです。
普通、公園には猿はいません。
だからこの公園の事は
結構良く覚えていますよ。
比較的このご近所に住んでいた村上春樹さんも
強烈な印象があったのかもしれませんね。

猿の檻のある公園
阪神電車打出駅北側

今はもう猿はいません
小説の続きですが
このあと彼等(“僕”と“鼠”)は
海まで歩きます。
そしてビールを飲みながら
怪我一つなかったお互いのツキに気付きます。
半ダースばかりのビールを飲み終えると
少し眠ります。
このさきの“オチ”は
また小説を引用します。
『目が覚めた時、一種異様なばかりの生命力が
僕の体中にみなぎっていた。
不思議な気分だった。
「100キロだって走れる」
と僕は鼠に言った。
「俺もさ」
と鼠は言った。
しかし僕たちが実際にしなければならなかったのは
公園の補修費を金利つきの三年割賦で
市役所に払いこむことだった。』
Coolですね!