安西水丸さんといえば、
村上春樹の作品のイラストも
良く手がけられていますね。
村上春樹の初期の3部作のイラストは
佐々木マキさんによるもの。
とっても洗練されていて
且つ夢があるイラスト
村上春樹の小説の世界観に
とってもフィットしていました。
当時、ボクの中では
村上春樹の世界=佐々木マキのイラスト
みたいなイメージが出来上がっていました。
ところが、“中国行きのスロウ・ボート”
という短編集の表紙は違いました。
洋梨みたいな物が
お皿に盛られている
ちょっと素朴で
ヘタウマ、なイラスト。
これが安西水丸さんによる物でした。
とっても違和感を感じましたね・・・
しかしその後、“村上朝日堂”シリーズで
安西さんのイラストを見ていくうちに
だんだん納得がいきました。
村上春樹の小説に出てくる“ボク”は
佐々木マキの世界。
村上春樹のエッセイに出てくる
“春樹さん”自身は安西さんの世界。
エッセイでの春樹さんは
ボクトツとした感じで
いつも重たいダッフルコートに
チノパンにスニーカー
みたいな、ちょっと冴えない感じ・・・
ちょっと嫌な事があっても
はっきり文句も言えず
仕方ないや、といって
あきらめてしまうタイプ(笑)
そんな、“春樹さん”のイメージを
安西さんは見事に表現してる。
しかし、安西さんが描くと
何でも安西風になるからさすがですね。
洋梨も、おもちゃの兵隊も
カティサークのボトルも・・・
ご自身はスタイルも良く
オックスフォードのボタンダウンに
チノクロスのパンツ
ツイードのジャケットを羽織って
足元はワークブーツ
といった、趣味の良いファッション。
そんな方が
こんな味のある絵を描く
そのギャップも魅力ですね。
安西さん
3月19日に
71歳でお亡くなりになられたそうです。
ちょっと早いな
残念です。
あっ村上春樹の作品に
たびたび登場する主人公の名前
「渡辺昇=ワタナベノボル」
安西水丸さんの本名が
渡辺昇さん、だそうです。
安西水丸って
良い名前だと思います。
あのイラスト
作者名が渡辺昇のままだったら
あんまりパッとしないかもね(笑)
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