いわゆる「親父マシン」について記述したシリーズ、今回は特別編としてレースレギュレーションについて思うことを書きたいと思います。
まだ前編、後編を見ていない場合、以下にリンクを貼っておきますので、そちらから先にどうぞ。
・ミニ四駆 親父マシンについて 前編
・ミニ四駆 親父マシンについて 後編
ミニ四駆のレースでは、公式大会、店舗レース問わず、だいたいは①ジュニアクラス、②オープンクラスに分かれて大会が進行していきます。
①ジュニアは小学校4年生~中学3年生、②オープンはそれ以上といった具合です。
かつてコロコロコミックでメディアミックス展開され、テレビアニメ(ダッシュ四駆郎、爆走兄弟 レッツ&ゴー!)が放送されていた第一次~二次ブームの頃は、あくまで子どもの遊びであったため、②のオープンクラスというものが存在しませんでした。
(それゆえ親父マシンが幅を利かせてしまったという経緯があります・・・)
上記のクラス分けは一見合理的に思えますが、そうとも言い切れません。
前回の記事である、ミニ四駆 親父マシンについて 後編でも触れましたが、現在のミニ四駆シーンの主役は大人であり、親の情報収集力、知識、スキルがそのままその子どもの戦闘力になっているのが現状です。
こんな状態ですから、ジュニアの実力は雲泥の差があります。
高度な改造を施し、オープンに出ても通用しそうな子がいる一方、少ない小遣いをやりくりしたであろう、ノーマルキットにファーストトライパーツセット、アトミックチューンモーター、100均アルカリ乾電池など、初心者が誰でも通るであろう基本改造のみのもの、果ては素組で出場する子と、まさに玉石混交となっています。
今の時代、ジュニアとオープンという分け方は少々不適切な感じがします。
競技志向が高まった現代ミニ四駆では、公式大会のような人数が集まる大会ではジュニアクラスを残す意義はあると思います。
ただしそれは、例えばプロ野球に対する高校野球的な位置づけであり、あくまでも競技志向の延長です。
なかなか新規客が集まらない地方の店舗レースや草レースでは、競技志向はオープンクラスに1本化し、それとは別に初心者がとっつきやすいクラスを用意した方が、ミニ四駆の裾野が広がるのではないでしょうか?
実際、タミヤがそう考えたかどうか分かりませんが、2014年の公式大会では「ファミリークラス」、2019年の公式大会では「トライアルクラス」が新設されました。
どちらも初心者向けの出場要件になっています。
このように、年齢で分けるのではなく、初心者向けに特殊レギュレーションを用意して、初期費用をかけず、できるだけ実力を拮抗させるようにし、その中で戦うのが今の時代に合っていると思います。
上記のトライラルクラスやファミリークラスの他、
・パーツ加工禁止
・ベアリング(ローラー、軸受)禁止
・モーター限定(チューン系モーターまで、あるいはモーター指定)
・改造費上限アリ
・TAREKAレギュレーション
・素組レギュレーション
上記のいくつかを組み合わせた初心者向けクラスを行うのが、新規の人にとって始めやすく、レースの面白さも体感できるのではと思います。
TAREKAレギュレーション対応マシン
実際、7月に私が企画した、ミニ四駆完全初心者向けの素組レースは大変盛り上がりました。
その様子は以下の「はじめての運営」シリーズで記事にしておりますのでまだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
https://ameblo.jp/vmax-ndv/entry-12612560853.html
まあ、特殊レギュレーションゆえに車検も時間がかかることが予想されますし、初心者にうまく伝わらないことがあっては本末転倒ですので、そのさじ加減は難しいところですが・・・。
そろそろ今回の結論を・・・
・ジュニア/オープンというクラス分けは時代にそぐわない
・初心者向けの特殊レギュレーション導入を
・特殊レギュレーションは、初期費用がかからず、できるだけ
実力を拮抗させるようなものがよい
これにて、今回のシリーズは完結となります。