先日のこと、以前再生をお手伝いさせていただいた会社の社長さんからお電話を頂戴しました。

最近の経営状況や再生計画の進捗状況について一通りご説明いただいた後、


社長        「あのー、ちょっとご質問があるのですが。」

私 (恐る々々)  「はぁ、どういったことでしょうか・・・・」

社長       「実は、今期は、今ご説明したように、計画を上回る実績となり、
          資金的にも若干の余裕がでるものですから、借入金の繰り上げ返済
          をしたいのですが、計画を上回る返済をするとマズイでしょうか?

私 (ホッとして) 「あっ、それは大丈夫ですよ。計画書にも、キャッシュフローに余裕が

          出た場合は、金融機関への返済、設備投資、従業員への還元などを

          債権者と相談して決める、と記載してありますから。金融機関からも

          喜ばれますよ・・・・」


この再生は、結果的に非常にうまくいったケースですが、この会社の場合も、様々な紆余曲折があり、再生計画策定の着手から、計画スタートまでは、かなりの時間を要し、途中段階では、私的整理を断念し、法的整理に移行せざるを得ないのではないか・・・という話も出たのです。


企業再生は、そもそも事業の将来性があるかといった問題、組織再編スキームや税務上のテクニカルな側面ももちろん重要ですが、それだけではありません。オーナーの個人保証問題、従業員の退職金問題など、なかなか参考書には出てこない問題が数多く絡み合い、再生を困難にしているケースが多いのです。特に中堅企業においては、そういった単純に割り切れない問題が多いようです。


本稿では、企業再生を手がけるコンサルタントとして、実体験に基づきながら、企業再生の課題や再生手法について、考えてみたいと思います。


尚、ここでは、手続き書等が少ない「私的整理」に関しての話を進めたいと思います。また、「私的整理」には、様々なケースがあり、ここで述べさせていただく話が必ずしも全ての再生企業に適用できるわけではありませんので、その点につきましては、ご注意いただきたいと思います。