日本での有機農業研修 【2/7】 | Vizcaya Fresh! のブログ

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フィリピンルソン島ヌエバ・ビスカヤの山奥から届けるフレッシュでナチュラルな野菜、果物、米、伝統工芸品。

2日目(2014年10月30日):埼玉県小川町での有機農業研修


小川町では神社の神主さんの母屋(築100年以上?)に泊まらせていただきました。
朝から温かいコーヒーをいただき、準備万端です!


【午前中の研修先:ぶくぶく農園


有機農業を始めて22年目の桑原衛さんにお世話になりました。

まずは養鶏の見学から。

今までの平飼いと併せて、試験中の野外での養鶏場も見せてもらいます。

「これならビスカヤでもできるかもしれない、獣もいないし」(ビスカヤでは獣は食べられることを恐れて人里にはまず下りてきません。)「むしろ近所の人が一番の天敵だ」と盛り上がりました。

鶏糞は肥料にもなるし、、と想像を膨らます参加者。

養蜂も見学。

ビスカヤでは野生のミツバチの巣を採取して蜜を取るため、蜂蜜を取るたびに巣が壊されてしまいます。
「蜂蜜のおかげでトラクターを買えた」話を興味津々で聞きます。
実は、農薬の過剰散布のためにビスカヤではミツバチを見ることは稀。蜂蜜にはとてもよい値段がつきます。



続いての面白かったのは、田んぼの除草器具。
田植え後3日目にこれで小さい雑草を取り除くと、その後の除草がとても楽、だそう。
「見えないうちに手をうつと後々楽になる」との言葉が何とはなしに身に沁みます。。

他にも、バイオガスプラントの見学やジャガイモの選別・出荷作業を体験しました。
少しずつ稼いで鶏舎を建てたり機械を買ったりしてきた地道な過程が、ぼんやりとでも伝わっていたらよいなあと思ったり。日本の農家のみんなが「お金持ちで機械を沢山もってガンガン農業をやっている」わけではないのです。


チキンソーセージの炒めものと新米、ふかしジャガイモのお昼をいただき、次の研修先へ向かいます。



【午後の研修先: タミーズファーム】

有機農業を始めて約20年目、岩崎民江さんの農園におじゃましました。

まずは、ぼかし作りの説明を聞きます。
「以前は牛糞を使ったりしていたけれど、最近は自分で作れる量のぼかしを作って作っている」とのこと。参加者は「おからは手に入らないけど米ぬかで代用すればいいかな」などと話しながら聞いています。

続いて、収穫期を終えたキュウリを前に、キュウリの剪定方法を教わります。
芽が十分な高さに伸びるまでは根本の芽・花・実を取った方が安定的に収穫できる、との岩崎さんのコメントに、口々に「もったいない」という参加者たち。みな実践してくれますように。。 

畑では、参加者から「栽培品目をどうやって決めるのか」との質問に「自分の食べたいものを植えている」との回答をもらいました。ビスカヤの多くの農民は、農薬を使って大量の野菜を作り、収入で家族用の食料を買う、という生活を送っています。この回答は、みな印象的だったようで、帰りの車の中でもこの点を議論していました。


続いて、大豆畑の見学。粒の大きさにびっくりです。
生産者のひとりは「畑の土が自分のミミズ堆肥みたいだった」と語ってくれました。

最後はおうちにおじゃまし、有機農家になった経緯等についてお話を伺います。


家の前の畑を始めたばかりの頃はまったく野菜ができなかったが、牛糞・鶏糞・緑肥を入れて徐々に土を良くしていった話。大切なのは気持ちの持ちようで、それがあれば幸せに生きていける、農家はプライドをもたないといけない。との言葉をみな頷きながら聞いていました。


自分なりの哲学を持って誇り高く農業をしている農家の姿は、ビスカヤではまず見られないようです。ビスカヤ・フレッシュの生産者も、自分なりの哲学と方法を持って、ちょっと頑固なくらいに有機農業を続けていってくれたら・・と思いました。


この日は気分が高揚してしまったようで、夜12時すぎまで皆で語っていました。

3日目に続く


(花)