こんにちは。カワイエンジニアリング広報担当のヴィヴィです。
いよいよ大野伴睦氏についてのご紹介も今回で最後となります。
前回、前々回の記事を振り返りますと、大野伴睦氏は生粋の政治家であり、東海道新幹線岐阜羽島駅を誘致した人物であります。
前回の記事の最後に載せた写真の通り、岐阜羽島駅近くには大野伴睦夫妻の銅像が立っています。
駅前や観光地にあるその土地の功労者の銅像というものは、その人物を讃える記念碑的なものであろうという認識が暗黙のうちに共有され、それが誰であるのか、なぜ建てられたのかという方向に見る側の関心が向くことも多く、銅像そのものをじっくりと鑑賞するということはあまり多くはないのではないかと思います。
ですが、この大野伴睦夫妻の銅像は、なかなかに面白い銅像であります。そもそも、夫妻での銅像というのも珍しいですが、その上、この銅像の大野伴睦氏は右手に煙草を持っています。近年の嫌煙ムードからは考えられません。
「おれはどこで降りればいいんだね」と啖呵をきって岐阜羽島駅をつくらせたという逸話もあるほどに、出来た当時は田んぼの中にぽつんと駅があり、不名誉にも政治駅と騒がれてしまいましたが、今ではロータリーが出来、駐車場が出来、ビジネスホテルが出来、それなりにシッカリと東海道新幹線の駅という様相になってきているといえるでしょう。
大野伴睦氏は、大物政治家であると同時に俳人としても知られ、万木(ばんぼく)の俳号で多くの俳句を残しています。東京の芝公園の古墳の上に句碑がありますが、そちらは虎の像で、勇ましい姿が目を引きます。句碑に虎とは何故なのか…句は「鐘がなる春の!あけぼのヽ増上寺」…虎とは無縁。答えは、大田区池上本門寺にあり。ここには大野伴睦氏が眠るお墓があり、そのお墓にも虎の像が。大野伴睦氏は虎の骨董品蒐集家だったそうです。
ちなみに。アニマルプラネットで、世界で一番好きな動物というのをアンケートしたところ、虎が1位だったそうです。時代が変われど、虎が人を魅力するのは変わらない事実としてあるようです。
海なしの
岐阜につくりし
駅の道 海夢叶えし
芝公園内にある「大野伴睦の句碑」。調理師会の名誉会長だった大野氏に対して昭和38年に調理師法施工5周年を記念し立てられた。
基部には氏の句、「鐘が鳴る春のあけぼのの増上寺」が刻まれている。