……いつか慣れる日が来るんだろうか。



ヨンとセッ…肌を合わせる事、もう数えてもいないけど——


高麗へ戻って来てから、都へ戻って来てから、結婚して避妊をやめてからも。


離れていた時間を埋めるように求め合って

満たされるからまた求めて

満たされてもまた、求め合って……


本当に私の月の障り以外……毎晩とは言わないけど、ほとんどの夜をそうやって過ごしている。


互いにしたくてするんだけど、結局いつも、彼の熱情に巻き込まれて、翻弄されて終わるパターン。


……あの艶を含んだ瞳(め)で見つめられると、もういけない。


気持ちも体力も限界……それでも、「もう一度」と求められると……

「愛し過ぎて抑えが効かぬのです」なんて、言われたらもう——



「……ヨンって、本当にずるいわ。高麗で一番ずるい男に認定する」


クタクタの私を抱きながら、軽く息の上がったヨンが「何ですか?」と、その腕を緩める。


「明日は典医寺に行く日なのに……私が断れないのを知ってて貴方……」

「加減が足りませんでしたか。すみません。ですが、イムジャがおっしゃったのですよ。ここ3日ほどは、子を授かり易いと」


……明け透けな話だけど、おそらくは排卵日前…確かに、それを伝えたのは私よ。

(でも、そもそもの体力が違いすぎるわ…)



「まぁ、ウチは、自然に任せてもいい気がするけどね。多分」


しきたりや制限のある王様と王妃様を思うと、つい溜め息が出てしまう。


「……成程。では、ちょっと聞いてみましょうか」

「え?」


ヨンが身体を起こして、私のお腹へ顔を寄せた。



「ええっ、聞くって、何を??」

「しっ…黙って——」


嗜められ、私は思わず口をつぐんだ。

そして、私のお腹に手と耳を当て、じ…と目を閉じているヨンを凝視する。



え… え?  何、 何?!


まさか、受精してるかどうかわかるの??

内攻使いって、そんな事まで出来るの??

凄い…人間技じゃないわよ、そんなの〜!!


驚愕しつつ息を潜めていると、やがて、ヨンの手がお腹から上に上がってきて——



「——っ!  ちょっと!!」


私の胸を包みだしたヨンの手を、パシッと振り払い、


「もうっ……!騙したわね!?」

「聞こえるかと思ったのですが……まだまだ修行が足りぬようです」


ヨンが笑いながら、真っ赤になって抗議する私を受け止めては、また腕に囲う。



「えっ、出来てたら本当に聞こえるの??」

「嘘です。聞こえません」


すみません。と、また笑うヨンの胸を叩いて、私はそこへ顔を埋めた。



「いつ頃になったら聞こえますか?聞こえるのですよね?赤子の声が」

「……聞こえるっていうか、感じるのよ。胎動っていってね。動くようになったら、お腹を蹴ったりするんだって」

「イムジャの腹を蹴るなど、けしからぬ事。おい、蹴ってはならんぞ」

「ヤダ、それこそ聞こえないわよ」

「そうですね」

「ふふ、授かったかな。赤ちゃん」

「どうでしょう。念の為、もう一度しますか?」

「……もう寝ましょ」

「ではひと眠りしてから、」

「朝まで寝るの!」

「(笑)分かりました。ではまた今宵」

「……今宵、になるのねぇ」

「はい。日を跨いでいますから」

「……寝ましょ。明日は出仕よ」

「今日です」

「あ…そっか」



そんなこんなで過ごす夜と、迎える朝。

私の幸せな日常だ。


こんな風に幸せを積み重ねて、私達の歴史を作っていくのね。

ヨンと私の。


楽しい事、嬉しい事だけで作れたらいいのに。


でも私達、辛い思いはたくさん済ませてきたから、きっとこの先は幸せでいっぱいよね?


そうしようね。ヨンァ。



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クリスマスに間に合った!

久しぶりにラブラブな2人でした♡


皆さま メリークリスマス🎄♡


ビビ