「自然と人が調和する生き方」への実践教育モデル <ご紹介> ① | りいのブログ

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Japan Holistic Education Society日本ホリスティック教育協会研究会員として、
先日、ある教育学会で、“自然と人が調和する生き方”への実践教育モデルである
「学校に森をつくろう」の取組をご紹介させていただく機会がありました。
スライドをもとに、発表させていただきました。

次世代への人間育成はもとより、生き方についてお考えいただき、
“自然と人が調和する生き方” が礎となった よりよい社会形成へと導く実践の光明として、
少しでもお役にたてればと…。

りいのブログ-都立庭園美術館
 
さて、平成23年に施行された「改訂学習指導要領」は、
知識、道徳、体力のバランスのとれた全人的な「生きる力」を育んで行くことの重要性が
いっそう強調されています。
その「生きる力」の育成には、
直接体験活動による学びを基礎とすべきことが指摘されています。
直接体験活動による学びが、従来の教師中心の一方的な知識伝達型でなく、
学習者自身が目的をもって、自らの気づきから学び行動につなげていくことを
重視するからであります。

「学校に森をつくる」「植樹する」「自然・緑に置き換えていく」「自らの力でやりとげる」「協力し合って達成する」という学習は、「探求型の学習」です。
単に、本を読んで覚える「記憶型学習」ではない。
課題を発見し、これからの人生において直面する問題に対しても、自ら向き合い解決に向けて行動する力を育む学習の方法であります。

 直接体験活動、すなわち自然体験を通したこのような学びは、
「野外教育」であります。
「野外教育」とは、野外活動や自然体験活動をはじめとした、さまざまな直接体験活動を通して行う教育とされています。
「野外教育」における3つのキーワードは「自然」「なかま」「自己」。
調和的かつ創造的な関わりについて、
気づき再認識して自己拡大していく
包括的かつ総合的な力を養うために欠かせない教育であります。
「自然」 …(地球環境)
「なかま」…(他者、地域、社会、動植物)
「自己」…(自分自身)

「学校」という「フィールド」、「コミュニティー」は、
最も身近な公(おおやけ・パブリック)の「場」であります。
そこには、ある程度の木(代表的には桜の木)、花、植物、緑、など一般的にいうところの「自然」はあります。
が、「森」とは違います。

子どもたちにとって「周囲環境」としては、「家庭」がベースにあります。
次に、「地域社会」という周囲環境として、時間的空間的に大きな割合として「学校」があります。
「学校」は授業のみならず、日曜日でも、サッカーなど、地域に開かれた空間として活用されています。

「学校に森をつくろう」というのは、
この「学校」という「場」に、もともとあっただけの癒し植物を植えましょうということでなく、
身近な環境に森をつくるという体験学習を通じて、
自分自身の心の中に、
“自然とのつながり”との気づきを生起・喚起すること。

それは、結果として、
地域の環境を豊かにすることになります。
さらに、地域社会も連携して取り組む活動ですので、
地域住民の大人の協力を得ながら、達成していくプロセスは、
“地域とのつながり”の気づきを生起させます。

さらに、子ども(ひとりの人間)自身の、
自己肯定感、自主性、創造力、忍耐力を育むことから、
子どもの意識は拡大して、地域における自分の貢献が、
(愛されたい、ほめられたい、認められたい、人の役に立ちたいという)
人間存在そのものの肯定につながります。

それが、大きな自信、自己効力につながります。

「学校」全体としても、地域の環境を豊かにすることで、
地域へ貢献できます。
・景観・心身の保養・リラクゼーション・レクレーションとしてのみならず、
さらに、
「学校」自身が、地域を巻き込んだ活動によって、
学校が「森」になり、
「人と自然」、「人と人」をつなぐ、持続可能な(サステイナビリティ)「場」になります。

子どもたちの教育において、
「身近に」「豊かな森」を「実体験する」ことで、「五感を通じた豊かな感性を育む」ことができます。
これは、成長期の発達において、とても重要なこと。

近代文明の、特に偏った都市文明の渦中にある現代人の社会にあっては、
次の時代に生きるために必要な感性であり、
知的好奇心を育むことはもとより、
なかまへの理解、なかまへの思いやり、
それがさらに拡がることで、協調性、社会性を育みます。

~続く~