「正骨範」の現代語訳の本、作ってます。 | vivayawaragiのご機嫌ブログ~古武道と拳法と日本古来の療術を求道する男のブログ~

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古武道と、拳法と、日本古来の療術を日夜求道し、追い求め、彷徨い、時々道に迷っている男のブログです。

約15年前の平成21年。当時柔術医術を習っていた俺は、師匠である柳生心眼流12代宗家の島津兼治師から「正骨範」の現代語訳を依頼された。

 

「正骨範」は1808年に、長崎で医術を学んだ二宮彦可が出版した接骨術の本だ。日本の柔術の活法、つまり整復術は皆この「正骨範」が元になっているそうだ。

 

いざ!現代語訳を始めると、全てが漢文で書かれている!高校時代、漢文の授業はいつもグッスリ寝ていた俺にとって漢字が羅列された文は呪文にしか見えない。

 

当時、分業で手伝ってくれた千葉さんと俺で、約二年半かけて正骨範の整復法、41技法の現代語訳を仕上げた。

 

島津先生はご満悦だった。

「これを俺の名前でBABジャパンに出版させてやろう。」

と、島津先生はほくそ笑んでいた。

 

ま。俺と千葉さんはゴーストライター。ということなのだが、その現代語訳正骨範はBABジャパンからは出版されなかった。理由は分からないが、とある出版社に聞いた話では、医学用語の言葉が入る出版本は出版会社も二の足を踏むそうだ。医師から訴えられたら裁判では勝ち目がないからだ。

 

そんなお蔵入りしていた現代語訳正骨範を最近また引っ張り出してきた。

 

合気武道の生徒さんから教えておくれとお願いされたからだ。

 

その女性は生業で整体業をやっている人で、以前稽古の合間に柔術医術の技法を2~3本ほど教えたことがある。その技法を施術で使ってみたら偉くお客さんから好評を得て、またやってくれとリクエストをいただくそうだ。

 

その上、彼女の施術を受けたお客さんで空手と合気道をやっている女性がその技術に興味をもって「私も習ってみたい」と言ってきた。

 

(これは商売になるかもしれない。)

 

くっくっくっ。と今度は俺がほくそ笑んでいる。

 

しかし、今現在、正骨範を教えることに会費は頂いていない。無料で教えている。

 

別に慈善事業でやっているわけではない。彼女たちには無料で教える代わりに写真の被写体になってもらっている。

その写真で分かりやすい説明の本を作りたいのだ。

 

普通、被写体のモデルを頼んだら一日4~5万はかかる。無料で被写体をやってもらえるなら安いものだ。

 

出来上がった原稿は知り合いの印刷会社が製本してくれるという。その本は書店に出版するのではなく、今後立ち上げを考えている「古武道療術松柳会」の教科書にしようと考えている。