vivayawaragiのご機嫌ブログ~古武道と拳法と日本古来の療術を求道する男のブログ~

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古武道と、拳法と、日本古来の療術を日夜求道し、追い求め、彷徨い、時々道に迷っている男のブログです。

俺の合気武道の道場生で、57歳のKさんという方がいる。今年の初めに入会したばかりなのだが、なにせ体力のある人で休みの日には山を20~30キロ走っているらしい。

そのKさんが先々週稽古前から

「頭がふらふらして、振るとめまいがするんですよ。」とおっしゃる。

無理はさせないがウチのモットーなので、今日見学でどうですか?と勧めたけれどガッツの有るKさんは「いや、稽古したいです。」と言ってきかない。

無理強いはしないがウチのモットーなので、そうですか。と、稽古に参加してもらったらやはり具合が悪そうで時々稽古を外れて休む。

(心配だなあ…)

と思っていたら、先週の金曜日にKさんが俺の施術院にご来院してきた。

Kさんはあまりにも辛そうで顔面が青白かった。これはただ事ではなさそうだ。

「Kさん、血圧はどのくらいですか?」と、俺。

「全然健康診断を受けていないのでわかりません。」

俺は青ざめた。

血圧計を持ってきて計ったら、上が155の下が100あって俺は二度青ざめた。

これだけ血圧が高いと、強く揉んだら脳血管が破裂するかもしれない。俺は心眼流の裏剛身(うらこわみ)を使って、体に負担を掛けないように体を緩めた。

全身が緩んだKさんの左の頸部の頸動脈だけがどうやってもゴリゴリして固さが抜けない。もうヤバい予感しかしない。

Kさんにそのことを説明し、病院で脳の検査を受ける事、それが終わるまで稽古には来ない事、を伝えた。

渋々と不服そうに帰ったKさんから先日ラインが入った。

「検査の結果、脳に血腫があるそうで緊急入院になり明日手術となりました」

俺の嫌な予感は当たった!

Kさんは何が原因で血腫ができたかは分からない。稽古の投げ技が起因したのか、それとも山を2~30キロ走っているときに出来たのか。

ただ、うちの会もそうだけど、武道を始めたいという人は意外と50代60代の人が多い。これからは合気武道に入門希望者は「健康診断受けてますか?」と尋ねねばならないと思った。いや、入門書に書いておこう!

Kさんは手術も終わり、予後も良好だそうで、来週には退院できるそうで俺は胸をなでおろした。