2024年3/6【707】good 難易度3 

 世界各国から集まった8人の若者による、北極~南極までをほぼ人力で縦断するプロジェクト『ポール・トゥ・ポール2000』日本代表、冒険家…じゃなくて写真家の石川直樹氏による日々の記録。 

 4月5日の北磁極出発から12月30日の南極点到達まで、言葉も国籍も文化も違う若者たちが一緒になって地球を半周するなんて。(しかも解散後に一人で南極の山に登るなんて…)

 ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル 

 ときは今から25年前。 
私と同世代の石川氏、当時在籍していた早稲田大学を休学してのプロジェクト参加だったという。
同じ頃私は一体何をしていたのか?
思い返せば恥ずかしすぎて顔から火が出そうである。 

 それにしてもなんと壮大なプロジェクトだろうか。 
そして世の中には、なんとグローバルに活動する人たちが多いのか! 

 行動範囲はせいぜい半径1km程度、狭い狭い世界だけがこの世の全て。
 その小さな世界の中で、やれあの人はあんないい家に住んでるだの、やれあの子は勉強がよくできるだの、やれ四十肩が痛いだの… 
我ながら、なんとせせこましい人生を送っているのだろう。 
重ね重ね恥ずかしい。 

 こんなにもワールドワイドで自由で年齢を言い訳にすることもなく行動力のある人たちが、こんなにもいるなんて!
 ただただカルチャーショックであった。 

 テント泊ですらハードルが高すぎるインドア人間の私にとっては、その辺の川がお風呂代わりだなんて、ちょっと考えられない。 

しかしそんな生活に身を投じてみるからこそ、当たり前にある日常の小さなこと、小川の清らかな水に感動し、暖かいシャワーにも心から感謝できるのかもしれない。 

 そして。この地球の素晴らしさ。 
大自然が創る奇跡と驚異。 

 アメリカの国立公園や地球の裏側まで行かずとも、我が県にも唯一無二の光景がごまんとあるではないか。 

 そこに存在するモノの尊さ美しさは、そのモノが決めるのではなく、わたしの心が決めるのだ。気が付かないうちは、きっと永久に気が付かないだろう。←当たり前 

 さらに特筆すべきは、このプロジェクトで改めて感じる人間の順応性ではないだろうか。
 -30℃~40℃まで、標高0m~4,000mまで、人は生きていくことができるのだ。
 この私にもそのような人間本来のパワーが眠っているのだろうか… 
にわかには信じ難し… 

 個性的なメンバーで構成されたこのプロジェクトには、当然というべきか、人間関係のトラブルもついて回ったようだ。

 自己確立し自己主張することは確かに大切なことかもしれない。
 だが、『スレ違いがおきたときに心の扉を閉ざすのではなく、逆に両手を広げて受け入れること』が旅を、ひいては人生を楽しむコツなのだろう。

 生活のスタンダードラインを低く低く設定し、自我を通すよりも周囲との調和を心がけていた(のかどうかはわからないが)石川氏は、一応無難にみんなと仲良くなっていたようだ。
 一方、こだわりが強すぎる者たちは、旅の間中強いストレスを感じていたようである。

 確固たる信念を持つって、一歩間違えれば自分を苦しめることになるのかもしれない。

 旅も終盤、9ヶ月かけてようやくたどり着いた最終目的地である南極に渡る直前の、石川氏の心情が印象的である。 

 『この旅の終わりは、ぼくにとって確実にはじまりである。すべてがここからはじまる。』 

 まもなく高校受験を控えている我が娘。
 やっとたどり着いたその日ではあるが、それは決してゴールではなく、この先何度も訪れるであろうスタートの一つににすぎない。 

だけれども。
『これまで得た経験は、これから無限の広がりをもつことになる。』のだから。
 自信を持って挑んできてほしい。

 よーし、じゃ今年は海水浴にチャレンジしちゃおっかなー!


《後日追記》
夏がやってきてしまいました。
海水浴にチャレンジしたいけれど、暑すぎて。。 ←言い訳