2024年1/30【700】good 難易度2

あまりに挑発的なタイトルに
「バカで悪かったね、ハイハイどーせ私はバカですよ」
と卑屈になってしまい今まで読まずにきた、たぶんこれで7冊目のひろゆきの本。


彼の存在は四半世紀前から知ってはいるが、その印象は、
2ちゃんねるの管理人→なのになぜかホリエモンと張り合っている人→実はちょっとすごい人だったりする?→論破の達人→考え方が面白い→ズル賢い…
と、時代と共に(本を読む度に)少しずつ変化している。

今回もしょっぱなから
『僕は周囲にいる人たちを基本「見下しモード」でながめています』
なんて言っちゃってて
「ナニこの人?!」
と軽くプンプン丸になったことは正直に告白しよう。

がしかし。

そこから新たに、
「ひろゆき実はめちゃくちゃ優しい人なんじゃないか」
疑惑が持ち上がってきた。


「好きなタイプは、優しい人です♡」の優しさではない。
なんと言えばいいだろう、
「頑張れ頑張れ!ネバーギブアップ!」
と寄り添って応援してくれるのとは対極の優しさ、
「そーんなに根詰めないで、もっと楽に生きようぜ~」
的適当さと言えばいいだろうか、彼の思考や生き方は、その手ぬるさで作られているのだ。


皆のことは気にせずに自分だけがトクしていい。
怒っている側に「こいつはヘンなヤツだ、面倒くさいヤツだ」と思わせる。
ひたすら「無理です無理です」だけを言い続け議論を始めない。
等々…

「そんな自分勝手やってて本当にいいの?!」
と、これまたプンプン丸になりそうなことばかり書いてあるけれど。

裏を返せば、
「アナタの心と身体が壊れる前に救われるのなら、それでもいいんじゃない?僕だってそうやって生きているんだから何も心配いらないよ」
と言われている気がするのは、私だけだろうか。


確かに今の日本は腐っているかもしれない。
それでも周りの諸外国に比べれば日本はかなりイージーモードでいける国だと彼は言う。

失業とかホームレスとか、もし最悪のパターンに陥っても、日本なら余裕で生きていける(という知識を持っておくことはとても重要だ)。


だからもし無理ゲーに遭遇しても。

自分ではどうしようもできない事で悩むより、自分の人生にとって有意義なことを考えたらほうがおトクだよ、と。
給料を上げるスキルはそんなに大事じゃないよ、リスクを取っても大丈夫だよ、相手の顔色なんて伺わなくてもいいんだよ、と。


私には
「飛行機でエコノミークラスに乗れば座っているだけで十数万円トクをする」
なんて発想はとてもじゃないけれどできないが、結局そういうことなのだ。

考え方一つで物事は良くも悪くもなる。
なんでも勝手に自分に都合よくおトクに考えた者勝ちなのだ。


一方で、今の時代に必要なことは(スキルアップよりも)『周囲とうまくやる』ことだとも彼は言う。
『コミュニケーションスキル』と言わないところがなかなかニクい。

社交的かどうかは関係ない。
良い悪いではなく、自分に合っているかどうか。
自分が心地良ければそれでいいのだ。


ひろゆきの著書を読み始めてから私はお金に対する意識だけは確実に変わったように思う。
単なる貧乏人のヒガミと言われればそれまでだが、きっとそれでも、ひろゆきなら心の中で見下していると思う。


タイトルにある『バカ』とは、自分では何も考えずに周りに流されて周りと一緒に不幸になっていく同調圧力でパンパンになった大多数の日本人、のことを指しているのではないだろうか。

他人のことに時間を使って頭をパンパンにし身も心もヘトヘトになる前に、彼の本を読み返すのもいいかもしれない。

きっと彼の思考術なら、張りすぎてパンパンになった風船のような私の心に穴を空けてくれてプシュ~~~とドコかの楽園に連れてってくれる…そんな気がする。


あ、今「コイツは変なヤツだ」と思った?