2023年12/5【687・688】very good!難易度4

トラファルガーと言えば!
ローではないぞ、ネルソン提督だぞっ!
きゃ~カッコいい~♡

…というわけで読んでみたトラファルガー海戦物語である。


最近学習したこと(←高校で習わなかったのか)を改めてアウトプットさせていただくと、

まず。
「アレクサンダーもカエサルも若くして征服したんだから余もやるぞよ」
といって(言ってない)ナポレオンがエジプト征服に繰り出す(その後のエジプトフィーバーはこれを発端とする)。↓

がそのとき、地中海でネルソン提督率いるイギリス海軍に「そうはさせまい!」とフランス軍(ナポレオン)が痛めつけられる。↓

ネルソンは強敵だが、イギリス征服も企むナポレオンにとってはまず周辺海域も征服したい。↓

とここで起こった海戦こそが、ネルソン提督率いるイギリスvs.フランス(&スペインの連合軍)の『トラファルガー海戦』なのである(違ったらごめん)。


ネルソン提督の何がカッコいいって、

①二十七軍艦の『総司令官』であらせられる

②それまでの常識を覆す斬新な戦法(ネルソンタッチ)

③集中砲火を浴びること必須の戦艦ヴィクトリーに乗り込み、先陣を切る

④殺戮が繰り広げられ「まるで肉屋の屠殺場」状態の艦上であっても冷静沈着堂々たる提督ぶりを発揮

⑤銃撃にあい死に瀕してもなお、愛する女性(不倫だけど)を想う

⑥海戦直前、かの有名な(知らんがな)
「英国ハ各員己ガ義務ヲ果タサンコトヲ期待ス」
の信号を全艦にむけ発信
→兵士や同僚から「開戦直前に何かと思えば。言われなくてもやってるよ」とダメ出しされたとの噂あり
→実は「英国は~期待する」ではなく「ネルソンは~確信する」だったがやむ無くこうなったとの噂あり

⑦右腕なし!右目ほぼ見えず!それでも凛々しい制服姿!

か、カッコいい…



ネルソンの死があったものの、この戦いで歴史的大勝利をあげたイギリス。
だが引き続き巨大ハリケーンに見舞われ海戦以上の大打撃を被ってしまう。

荒れ狂う海のなか海戦勝利の一報をほうほうの体で祖国イギリスへ届ける使者の物語あり、
勝利の報に沸くイギリスのネルソン神格化とフランスの惨敗隠蔽プロパガンダあり(こうやって情報は操作されるのである)、
産業革命の余波も手伝い、後に繋がる大英帝国の繁栄とナポレオンの失脚あり(世が世なら世界共通語は仏語だったかも)、
「トラファルガーで戦った」という名誉の裏にある兵士達の非情な現実あり…


当時まだ電気もなく、頼りになるのは人力のみ。
え?
あの軍艦って風力だけで動いてるの?
船上の食事って蛆の湧いたパンと濁って異臭を放つ水だけなの?
人間って指が数本ふっ飛んでも全然平気でいられるものなの?
軍医の仕事はひたすら手足を切断することなの?
開戦直後の兵士ってそうやって過ごすの?

…とまぁそんな感じで、実際の報告書や兵士らによる多数の手紙を元に『トラファルガー海戦』の始まりからその後までが、実に生き生きと臨場感たっぷりに描かれている本書なのである。

西洋史、おもしろーい!


毎回思うのだが、歴史の教科書でたった数行で済まされている出来事にも、実際はかくも壮大な人間ドラマが繰り広げられていたんだよねぇ。

だからきっと日本史も、これに匹敵する面白さなのだろうけれど…
うーむ、どうしても日本史にはこれっぽっちも興味が持てない私である。

だってチョンマゲ、カッコよくないし。。

 

↑こちらの本から芋づる式読書
 

↑ネルソン提督の名言アリ