2023年11/7【682】good 難易度2

探検冒険サバイバルものの本が好きだ。

洞窟おじさん、自転車で世界一周、太平洋漂流、北極一人旅、怪獣探し、エベレストで自己満足…いろいろ読んできた。


今回手に取った本書は、中学生~向きの『学校でも家庭でも学ぶことができない生きていくためのリアルな知恵の教養書/よりみちパン!セ』シリーズの一冊。

春に中学生になる我が子の心に何かが刺さってくれれば…と期待を込め、手始めに私が先に読んでいる。

石川直樹さん。
初めて聞いた名前だけど…
表紙の写真からして登山家かな?
と思いきや!
もう、この人もめちゃくちゃ!

中学生時代に青春18きっぷで日本を旅したのを皮切りに、高校時代はインド一人旅、卒業後は無職になってアラスカの山と川。
続いて『POLE TO POLE』北極点から南極点まで男女8人地球縦断の旅に参加し続いてチョモランマ登頂、それから星だけを頼りにミクロネシアの海を進み、熱気球太平洋横断に挑戦して、そして二度目のチョモランマ登頂…

どんだけ~?
である。

極地、山、川、海、そして空。
へぇ、全部やっちゃうんだ。


私と同世代の著者。
彼が地球を旅していたとき、私は一体何をしていただろうか… 
マンガ読んでゲームしてテレビ見て、参考書ばかり買っては解ける問題ばかり解いて頭が良くなった気になって…
うぅ…思い返しただけで恥ずかしい。。

そんな多感であるはずの10代を無駄に費やしてきた私は、ときどき「なんて私は不幸なんだ/なんで私ばかりがこんな目に」などという、なんとも甘っちょろい愚痴や悩みを抱えることがあるのだけれども…

旅を通し語る彼の
『「生きる」ということはすなわち、世界を経験することではないだろうか』
という言葉には、とても納得がいくのである。

自分だけの小さな小さな世界に閉じ籠るのではなく、自分の常識を抜け出し、世界を自分自身の五感で体験すること。
自然を相手に、あるがままを無条件に受け入れるしかない非情な現実を味わうこと。
地球や宇宙に対し無にも等しい自分と、それらと一体となること。
悠久のときの流れのなかの、ただ今ここにわたしが存在することの奇跡と、命の繋がりを感じること。
そして何よりも、自分の選択と意志と責任で、生きること。

私も数年前にめでたく山ガール(?)デビューしたせいか、それ、すごくわかる気がする。
「私今足踏み外したら死ぬ!!」
って何度も思ったもんね。
そのときの『自分の意志で生きている感』といったら。
と言っても彼らのような命がけの行為まではとてもとても真似できないけれど。


「山に登れ」とか「冒険家になろう」と言いたいわけではない。
ただ、こんなにも文字通りに、世界は広いのだ。

一人でいること、人と違うこと、周りに誰もいないこと、それは決して恥ずかしいことではい。 
それでも自分の好きなことをしていけば、きっと仲間にも出会えるし、新しい世界もどんどん広がる。
進む道はひとつではないし、一日一日ではなく数年単位の長く大きな時間感覚も持って、毎日を過ごしてほしい。

そんなことを、子どもたちには本書から感じ取ってもらーーうなんて都合が良すぎるかしら。


本書、ガッツリとした冒険ものではなく各冒険のダイジェスト版的内容だったという意味で私には少々物足りなかったので、次はぜひ彼の他の本も読んでみたい。


というわけで来年も、またどこかの山に登りにいきたい。


🌼コメント宜しくお願いします😊🌼