2023年10/25【677・678】very good!!難易度2

渋谷109の元ヘソ出しガングロギャル店員がアフリカで一人ボランティアを始めた話。


中3になる娘が「私がこうして呑気にお菓子食べてる間にも戦争に苦しんでいる人がいるんだ…」とニュースを見ながら珍しく世界に目を向けたのでちょっと読んでみた本。


とにかく「えっ?」という驚きの連続である。

アフリカに行く直前までは表紙の写真のようなイケイケガンガンのギャル(死語?)だった。

がしかし!

人生を見つめ直す旅に出たが最後、2ヶ月程度で帰国の予定が、なんとそのまま!
一度も帰国することなく数年間アフリカでボランティアを始めてしまったというではないか!

驚きポイント
①ガチのギャルが!
②学歴もそんなでもないのに(一応短大卒)!
③アフリカでボランティア!
④ふらっと出国したまま数年間帰国せずって…そんなことできるの!
⑤アフリカ悲惨すぎる!
⑥そんなところで女子一人!
⑦住み着いちゃうの!

とまぁこんなところだろうか。


①②あたりはもう思いっきり偏見である。。
出版社も…ソコを売りにしてるんだろうけど。。


自分の所有物は鍋一つ、体を売っても20円、最貧困国の最貧困区域。

現役医師ですら顔を背けてしまうような状況において、医療に関して何の知識も経験もない著者がメスを使い膿や汚物の処理をする。

そして現在『アシャンテママ』というNPO法人まで立ち上げ、さらにモザンビークの医療技術師の国家資格まで取ってしまう著者。

なぜ彼女はそこまでできるのだろう。


家族からも見放され一人死んでいく者、表現する言葉がみつからない程の奇形がある者、暴行され体が麻痺し床擦れで体じゅうぐぢゅぐぢゅになったまま放置されている者がいる一方で、たまたま日本人として生まれた自分はどれだけ恵まれているのだろう。

神様はなんと不公平なのか。


警官も隣人も、家族でさえも信用できない日常。
昼間から強盗にあいドアすら盗まれてしまう状況で
「今生きている」
それだけが奇跡的なアフリカの過疎地。

人はなぜ生まれてくるか。
暴行されるため?
病気に感染するため?
激痛に耐えながら生死をさ迷うため?

何を希望に生きればいいというのか?

そんな絶望的環境のなかで、わたしが今できること。


著書のさやかさんはきっと、いつでも「いまここ」にただ一生懸命。
一生懸命ギャルをして、一生懸命バイトして、流れるままにたどり着いたアフリカの地でも、ただ、一生懸命。

ただ自分の感情に素直に生きている。
そんな女性なのだろうと思った。


【なんにもないけどやってみた】
主に著者のミクシィ(当時)ブログの抜粋。

【ひとりで始めたボランティア】
前書と重複しつつ、アフリカへ行く前のギャル時代~世界を見たバックパッカー時代~アフリカでボランティアをしつつやがてNPO法人の立ち上げ~の思いを綴った本となっている。


世界の現実、生きることと幸せの意味。
人が究極的に求めているものは…

そんなことを考えさせてくれる本であった。


《後日追記》
つい1ヶ月前に起きた能登半島地震。
被災されて人々が求めているものは水や電気といったインフラはもちろんだけれども…
本当はそれよりも大事なもの、欲しているもの、究極的に求めているものは。


🌼コメント宜しくお願いします😊🌼