2022年3/22【527】Excellent! 難易度2

どうしても笑いたいから高野秀行を読もう!第3弾。

『他人の行かないところへ行き、他人のしないことをして、それを本にする』を生業としている辺境ライターの著者。
腰痛が悪化して立っているのもままならない。
なんとかして治さねば!の腰痛治療悪戦苦闘体験記。


本書について言いたいことは3つある。

その①
私がここ1ヶ月間求めていたお笑いレベルとしては、最高レベルの本である。

大爆笑には至らないものの(やはり活字のみで大爆笑を続けるのは難易度が高すぎるようだ)、始終
「ククク…(笑)」
が止まらない。
『文庫あとがき』でご本人直々に曰く
「本書の著者はあたまがおかしい。今読めば、文体が異常」なのだ。


腰痛のため取材に行けず原稿が書けなきゃ収入にもならない。
そこで仕方なく『腰痛を治す』という何の面白味もないネタでなんとか読者を楽しませようと必死になっている文章は神憑っている。

『腰痛世界』で翻弄される自分を男女関係や本業の探検に例え、それを『ラーメン屋のオヤジ理論』だの『男は港で女は船理論』だのと真面目に深く考察する。
これが笑わずにいられようか。


その②
医学界って…
どーなのー?

数ヵ所の整形外科を経て鍼灸院、心療内科、挙げ句の果ては獣医にまで救いの手を求める著者。
西洋医学に中医学に民間療法、それら数々の知られざる『名医』を頼っては治療に振り回されるものの、腰痛は一向に改善しない。

そして医師の、患者や同業他社をバカにする態度。
アンタら一体何様のつもり?

これには著者でなくとも怒りが沸いてくる。

なーにが名医だ!
なーにが「絶対治る」だ!
患者は一体、何を信じ頼れば良いと言うのか。


その③
人間とは?『わたし』とは?

まさかの結末(オチ?)に
「こうきたか…」
と思わず唸ってしまった。

意識とは?心とは?的な本をよく読むんだけど、まさかココでココに繋がるのか!と著者の考察には感動すら覚えた。


本書で特に印象に残った深イイ気付きを備忘録↓

■100%好きなことしかやっていないつもりでも、人は無意識にストレスを感じてしまう。

■結局何が正解かなんて、誰にもわからない。

■人生は探検部。とにもかくにも「やった者勝ち」。どんなに無様なやり方でもやった人間がえらい。やらなければ零点である。

まるでマリアナ海溝並に深い深い逸話と結論であった。


腰痛持ちの人もそうでない人も、どうしようもない『何か』に悩んでいる人もそうでない人も、笑いながら本書を読んで『生きるヒント』を是非見つけてほしい。


それにして表紙の似顔絵?が著者そっくり!


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