2022年1/14【508】very good!難易度5

2017年、510億円で落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチ最後の傑作『サルバドール・ムンディ』。
イエス・キリストが地球を見立てた水晶を手に持つその姿はモナリザの男性版とも言われる。
絵画とは?芸術とは?真実とは?


昨年末映画館で上映していたので、原作のノンフィクションルポルタージュを読んでみた。

なんというか。
1枚の絵に510億円。
13万円で買われた絵が12年でおよそ4億倍に!

ただの『絵』に、だよ?
加えて言うならダ・ヴィンチの絵だという確固たる証拠もないのに!


大富豪の中の大富豪。
彼らがその絵を求めるのはそれが『最後のダ・ヴィンチ』だからか?
それとも、純粋に芸術を愛しているからなのか?


そもそも『ダ・ヴィンチの絵』の定義とはなんだろう。
何が証拠になるのか。
大学教授の分析が全てなのか。
有名美術館の館長の見解が真実なのか。
本に載っていることや学術論文はであればそれが正しいと言えるのか。

色んなことを考えさせられる。
「美術界、腐敗してるなぁ」と苦笑せずにはいられない。
美術界に限らずこういう閉鎖的で専門的な世界って、きっとどこもそんな感じなんだろうな。


そして思う。
『本物』って何?
より高価でさえあればより優れているというの?

私がそう思うならそれでいい?
直感に従えば間違いない?
ビビビときた、鳥肌がたった、それこそが本物?


うーーーーん。。

うーーーーん(笑)


ブランド志向。
ネームバリュー。
私も含めきっと世の中の多くの人がその『名前』に踊らされているだけなような気がする。

美術界、競売界、大富豪ネットワーク。
金と欲望に目が眩む者たちの駆け引きと、純粋に絵画を愛する者たちによる残酷な修復と。


複雑に絡み合う様々な業界の裏事情は、どれも初めて知ることばかりでとても興味深い。
そして『物の価値』に対する意識が根底から覆された気がした。


510億円で落札されたこの絵は現在行方不明になっているという。
そもそも『絵』って倉庫に保管するものなの?
人に見られてナンボじゃないの?
人に見られると劣化するって、そんなの…
『絵画』って何なんだろう。

開いた口が塞がらない。


事実は小説より奇なり。
だからついついノンフィクションばかり読んでしまいます。


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