2021年9/19【469】普通 難易度3
年間約80冊程度本を読む私が、生まれて初めて『村上春樹』を読んでみた。
村上春樹。
正直言ってあまり良いイメージがない。
小難しい言葉の使い回しとハイソな主人公。←あくまで私の勝手なイメージです
【1Q84】発売当時、なんだか街中がスゴいことになっているニュースが流れていて
「皆、意味わかっててフィーバーしてんの?」
と冷めた目で見ていたのを鮮明に覚えている。
ガリレオの福山雅治効果もあって東野圭吾が人気なのは分からなくもない。
湊かなえも恩田陸も、普通にドキドキを味わわせてくれた。
ではハルキはどうだ?
手始めに【ノルウェイの森】にしようと思ったら
「初ハルキにノルウェイはダメ」
とアドバイスされ、代わりに本書を勧められた。
ので、全く何の先入観もないまま読んでみた本書。
というのは正しくないかな。
「村上春樹、どこが面白いのか、ちょっと読ませてもらおうじゃないの」
というちょいと斜めに構えたバイアスと、
「ファーストハルキにお勧めされるくらいだから、無難に面白いだろう」
という期待バイアスが、確かにかかっていたはずである。
なのに。
読了後の正直な感想は。
「普通」
以上。
だって…
いえね、読み物として普通に面白いですよ。
「今後どうなるの?」
とも思いましたよ。
でも。読了後。
「で?だから?」
あああ~ごめんなさい!
ハルキの良さがわかりません!!
私はあまり小説を読まないけれど、読むとしたら
「全米が泣いた!」
「驚愕のラストに震撼!」
的分かりやすいジェットコースター小説が好きなせいか(要するにミステリー)、村上春樹の崇高な文学の良さが、私にはわからないんだと思います。
私がバカなだけなんです!
村上春樹って、もしかして『サザエさん』的小説なのではないだろうか。
日常の、人生の、ちょっとした通り雨。
サザエさん別に面白くないけれど、毎週見てしまう。
何が面白いのか自分でもわからないけれど、毎回どこか楽しみにしてしまう。
深く考察すれば、古き良き日本の家族、今では珍しい厳格な父と優しい母、マスオさんとフネの程よい距離感から学ぶ人間関係、波平の万年平社員でもいいじゃないか家族が幸せならから学ぶ幸福論。
そんなことに気付かせてくれる(のかもしれない)サザエさん。
村上春樹、まだ一冊しか読んでない私がどうこう語る資格はないかもしれないが、彼はそういう作家なのではないだろうか。
私は何にでも結果を求めてしまう。
この本で学ぶべきことは何?
そうではなく、素直に心で感じるだけ。
それが私には欠けているのだろうか。
それでも本書で著者が伝えたかったことを敢えて受け取ってみれば
『やるべきことはやるべきときに、ちゃんとやろう、後悔のないように』
『幸せとは結局のところ、愛なんだよ』
というところだろうか。
物事は色んな角度から見てみないと、理解できない。
皆が、世界中が、村上春樹に群がる理由を私も知りたい。
何故本書がこんなにもAmazonで高評価なのか、私も納得したい。
思っていた以上に大変読みやすくスラスラ読了できてしまったので、今後もハルキに挑戦してみようと思う。
だってさ、皆が
「ハルキにノーベル文学賞を!」
なんて高らかに言っているのに(のか?)、私だけが彼の魅力がわからないなんて、悔しいじゃない?
もしかして、村上春樹はじっくり読むものなの?
文字の奥に潜む文章の意味を味わわずに、スラスラ読んじゃったのが、いけなかったのかな?
誰か教えて~!
《後日追記》
先日、リアルで初めて『生ハルキトーク』をする機会がありました。
彼のベスト村上春樹も【国境の南、太陽の西】だそう。
私のこれまでの人生で村上春樹について言葉を交わした4人のうちの2人もが本書推しだよ。
えーーー、これが最高傑作なの!?
🌼コメント宜しくお願いします😊🌼