2020年 6/18【345】good!!
難易度2
『ダンシング・クイーンが弾きたいんです』
心の奥でずっと思っていた。
ピアノを弾いてみたい。
かつてはヤクザ専門誌の編集長も務め、暴力団関連記事を執筆し続ける50歳も過ぎたおっさん。
ふとしたことがきっかけで雷に打たれたように音楽に涙し、一歩を踏み出しレイコ先生に出逢い、ABBAの『ダンシング・クイーン』が弾けるようになるまで。
レイコ先生が格好良すぎるっ!
のでレイコ先生語録を以下に記す。
★「練習すれば、弾けない曲などありません。」
★「ミスしてもいい。間違えて当然。下手でいいの。そんなこと音楽に関係ない。だからセーブしないで解き放って。」
★「よっし、最高!ベートーヴェンをぶっ飛ばしてやったわね!」
→著者初めてのレッスンで、教えてもらいながら心を解き放って『喜びのうた』を弾いたあとに先生が一言
★「訊いても意味ないわよ」
→ある大人初心者が憧れの曲を弾けるようになったという話を聞き、何年かかって弾けるようになったか著者が尋ねたときの返答
★「ピアノを触った時間が多いだけ」
レイコ先生の見事な演奏に賛辞を述べる著者に対して
かっこいい~~☆
初めてのグランドピアノ。
初めて自分で出す『ド』の音。
そこから少しづつ少しづつ、弾けるようになる著者。
抗争事件が起きれば取材のためにレッスンを中止することもしばしば。
そこは仕方ないねぇ、社会人だし。
でも好きだから、あの曲が弾きたいから、先生が待っててくれるから、頑張れる。
そして全くの初心者が一年と少しかかってついに発表会。
そう、人前で演奏するのだ。
二十年以上暴力団に脅され続けた著者ですら、それがたとえ子供であっても、
他人の気配を感じるだけで演奏が腰抜けになるという。
(ぎゃははは、わかるわかる!笑)
人前で演奏するという恐怖は暴力団の上をいくのか…
そんな山場であるはずの発表会の場面が数行で終わったのには拍子抜けしてしまったが、著者の『言い訳/心の叫び』が個人的には分かりすぎて全編通してかなり共感&笑えた。
本書購入特典である『発表会の動画』、配信期間が過ぎていたがダメもとで探したら、YouTubeに引き続きUPされているではないか!
たぶん多くの人はその動画を見ても
「スキンヘッドのおっさんがたどたどしくピアノ弾いてる。頑張ったねー」
程度の感想しか持たないかもしれない。
しかし、そこに至るまでの苦悩・後悔・不安・諦め・勇気・恐怖・喜び・感動・達成感…
ついでにその本番3分のために費やしてきた時間とお金と精神的苦痛を思うと…(笑)
ひたむきにピアノを弾く著者の姿に目頭が熱くなった。
「できる人は、やった人。ただそれだけのこと。」
私でもできますか?
「保障する。
YOU CAN DANCE!!」
🌼コメント宜しくお願いします😊🌼