『天才達の成功と失敗の物語』
主人公は、
発明王エジソンに勝利した男、麻酔の発見者、一時は「再建の神様」とまで呼ばれた者、人類史上初めてリフレ政策を断行した男、大臣のたった一言の失言により一瞬で莫大な財産を失った大富豪、毎月の仕送り数千万円の三代目放蕩息子、
などなど。
彼らに共通するのは、天才的才能により一世を風靡(大概は大儲け)した後の、驚愕の転落人生。
それを垣間見れるだけでも十分面白いのに(ごめん)、本書は、ではどうすれば回避できたのか、どうするのがベストだったのかということを、ビジネス・社会・経済の面から考察して二度楽しめる内容になっている。
企業を船・資金を燃料とし恐慌という名の嵐を乗り越える方法を考えたり、銀行システムを『旅館のスリッパ』に例えて解説してくれたり。
むむむ、非常に解りやすい!
経済の知識は幼稚園レベルの私、ちょっと難しい箇所もあったけれど、大変勉強になった。
鳥肌が立ったのは、カリフォルニアの自分の土地から砂金を見つけたばっかりに(ゴールドラッシュの始まり)破滅の道へと進んでしまった超大富豪サッター。
ツルハシの一撃で奈落の底に。怖っ!
世が世なら、エジソンのように後世まで名前を残したであろう彼ら。
それが今では殆ど名を知られていない。
失敗の原因は何だったのか、なぜ破滅の道を進むことになったのか。