2019年 4/23【226】GOOD

西洋史と言えば、なんとか何世がアンなんとかと結婚してなんとか何世になり…??と、政略結婚のドロドロがそれはそれで面白いんだけど。

そんなドロドロを尻目に、日々の生活(もしくは王族貴族のワガママ?)や、文化を支えていく上で一番最初の一番大変な仕事に従事する、底辺の人達の、なかなか日のあたらない過酷な仕事のあれこれをユーモア交えて紹介してくれる本。

最悪の仕事、それはそうだろう。
化学薬品も便利な道具もない時代、あれもこれも文字通り『人の手』によって成すしか方法がない。(あと糞尿が色々使えて便利だよ)

ゲロ収集人(吐くまで食べるってどうよ?)、排泄物まみれの騎士の甲冑清掃人(お、お疲れ!)、王の御便器番(なんだそれ笑)等、ウゲーとなる仕事もあれば、王族の祝宴のための肉焼き職人(重い熱い焦がせない)、コインを作る奴隷(ネコババはもちろんダメ)、染め師(超絶臭い)、役者(当時の舞台衣装の驚愕の真実とは!)、丸天井画家(仕事場に着くまで一時間階段を登る)、絵画モデル(聖人モデルの正体はなんと!)等々、3K(キツい・汚い・危険)+2T(退屈・定収入)な仕事から当時の社会の裏話や物の製造過程が知れてとても面白い。

が。

やがて迎える産業革命。鉄道が敷かれ貿易も発達し、中産階級以上のレディ達が優雅にお茶会をしているその裏で。
一体どれだけの無名の人々が人間として扱われることすらない悲惨な条件下でその歴史を支えていたのか。
面白いなんて言っていられない。

『私たちの歴史が作られてきたのは、それぞれの時代の【最悪の仕事】に従事した無名の人たちのおかげなのである。』
ごもっとも。
そんな先人達に、多大な感謝を。


西洋の歴史と絵画に興味があれば、中野京子【怖い絵】シリーズがおすすめ!

文才がありひとつひとつが短いので読書初心者も読みやすい。絵画の見方が変わるし歴史に興味が沸いてくる。


《2020年追記》
聖人モデルの正体、何なのか忘れちゃった😂
アウトプットしないとこんなにも覚えてないのね😱