2019年 4/19【225】普通

不潔の歴史というか、衛生の歴史・清潔に対する概念の歴史、といったところ。

それにしても…
汚いないなぁ(笑)!

マリーアントワネットの時代など豪華絢爛きらびやかな面ばかり強調されがちだが、そもそも汚物を避けるためにハイヒールを履き、体臭を誤魔化すために香水をつける。
ルイ14世なんて、太陽王というより体臭王だろっ!と突っ込みたくなる。

しかし歴史を遡れば、汚さ(つまり肉体より魂を重んじること)がキリスト教徒の清らかさを示すしるしであったり、ペスト等あらゆる病原菌は体表の孔(あな)から入り込むので垢は洗い流してはいけないと信じられていたり。

20世紀初頭までなかなか必要性が認められなかった石鹸が『悪臭は人に嫌われる』という宣伝文句により一気に世に認められ、現代人が衛生用品業界と広告業界の策略にまんまと踊らされ、結果、現在の極端な潔癖症や菌恐怖症とそれに伴うアレルギー持ちの子供の増加に繋がったという背景は、なんとも興味深い。

和訳がもう少し分かりやすければ良かったのに惜しい。


モーツァルトがしょっちゅう『尻ケツう●こ』言っていたのも、当時の欧州では今の感覚ほど異形に思われていなかったのかもねぇと、少し同情。
少しづつ清潔の概念が根付き始めたフランス。
しかし水道管事情に加え、部屋が狭くバスタブの置き場がない。
1869年に亡くなった作曲家ベルリオーズのアパルトマンには、バスタブなしの身体を洗う部屋が二部屋あったという。

私が、潔癖症だと勝手に推測する作曲家。
ベルリオーズ、ラヴェル、サン=サーンス。
あ、皆フランス人。