『高堂巓古 Officia Blog』 -949ページ目

Lesson 2  『握る』&『触れる』 その2

前略、



 前回、ラケットとは、ちゃんの手を優しく包み込む感覚 で手にされた方が良いとお話ししました。本当に、ティッシュをつまむくらいの優しさで、テニスというものは時速180kmを超えるサービスが打てるものなのです。だから、テニスが上手くなりたいと思われるのでしたら、まずティッシュの前に正座して、ティッシュを美しく優しく手にする練習を日々なさって下さいね(笑)。




 ところで、実は、まだ信じていないのではありませんか。そんな触れるか触れないかの握り方で、テニスができるかよ!!って。でも、考えてみて下さい。テニス史上、ボディービルダーのような肉体をしたチャンピオンがいらしたでしょうか。もし思いっきりグリップを握って打つことが正しいのであれば、人生全て筋肉で乗り切っていこうとする筋肉至上主義者(こういう方、大好きですが♪)が強いはずです。




 しかし、現実は違います。実際は、筋肉に力を入れるのが上手な選手ではなくて、リラックス(特に上半身)の仕方が上手な選手の方が、強いボールを打てるのです。少し専門的なことを申し上げますと、屈筋よりも伸筋の使い方が上手な人は、良い選手になります。


『屈筋』:身体の一部を曲げるときに使う筋肉

『伸筋』:身体の一部を伸ばすときに使う筋肉


例えば、腕で申し上げますと、上腕二頭筋(俗に言う、力こぶ)は屈筋ですが、その裏側にある上腕三頭筋は伸筋です。基本的に、屈筋と伸筋はペアになっています。当たり前のことですが、ペアでないと大変なのです。



「私の美しい腕、屈筋しかないのドキドキ



という方がいらっしゃいましたら、その方は曲げたら最後、もう二度とその美しい腕は伸びることなく、一生曲がったままになるからです。か、哀しいですね……。閑話休題。一般的に、筋トレと呼ばれるものの多くは、屈筋を育てることを主な目的としています。しかし、テニスはボールに前方への力を加えるスポーツですから、筋肉は曲げる筋肉よりも、伸ばす筋肉を使った方が良いのです。場合によっては、屈筋がスイングの阻害に繋がる可能性も出てきてしまいます。そんなアクセルを踏みながら、ブレーキを踏む状態を作り出さないためにも、屈筋よりも伸筋を使っていただきたい。こういう状態を伸筋優位と言います。そして、伸筋はリラックスしたときに、機能する筋肉なのです。なぜ、ラケットと優しく繋がらないといけないか、ご理解いただけましたでしょうか。






【編集後記】


武颯塾 という道場では、毎稽古のときに、脱力した状態で、『曲がらない腕』というのを確認します。本当の意味で脱力できている腕って、実は、曲がらないし、重たく勁いのです。



ご退屈さまでした。




々。






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