新型コロナウイルスに感染された方にはお見舞い申し上げます。
当院でも、ワクチン接種も始まりました。

実は、自分も3月に新型コロナウイルスに感染し、3月22日から4月17日まで休診を余儀なくされました。

通院中の患者さんには大変ご迷惑をおかけしました。
今のところ後遺症も特に見られず、感染前と変わらず通常通りの診療ができる状態になりましたので、ブログの場を借り、ご挨拶させて頂きます。

さて。
知りたい方は多くいらっしゃると思いますので…
「内科医・新型コロナに感染してしまった実体験」お話します。
※これはあくまでも僕のコロナ感染の実体験です。
皆様が同じようなケースではありませんのでご理解してお読みいただければ幸い。

事の始まりは3月15日(月)午後4時頃に受診した、
初診の高齢者の女性。

元々、他院に喘息でかかっていて、かかりつけ医を受診するも、
担当医が不在ということで、初めて当院にやってきました。
症状は体温36.2℃で発熱症状はなく、咳があり。
(今思うと、かなりひどい咳をしていました)
当院は現在、風邪症状を診ることができないことから
一度は診察を断ったのですが、その場に座り込んでしまったため、やむなく診察。
胸の写真も肺炎を疑う所見もなかったので、喘息の処置をして帰宅されました。

その後、数日は何もなく経過。
3月19日(金)深夜に、寒気が少ししたので、もしかしたらと思っていたら、
その日の午前中に、
この患者さんが新型コロナウイルスに感染していたと保健所から連絡がきました。

保健所からの連絡を受け、
診察と処置にあたった自分と看護師が濃厚接触者にあたるため、午後から休診。
予約患者さんへの対応等、そこからはスタッフも大変でした。

実は、この時点で、微熱と身体のだるさも出てきていたので、
新型コロナウイルスに感染したなと、この時には、思っていました。

3月20日(土)保健所に指定された場所へ行きPCR検査。自分を含め当院の3人が「陽性」となってしまいました。

3月22日(月)に、3人一緒に保健所で手配された車で療養先のホテルに移動。
このときまでは、体温は最高で38.2℃。熱の割には身体のだるさも、寒気もなく、軽い風邪という感じでした。

<療養先ホテルでの流れ>
到着すると
・「体温計」と「パルスオキシメーター」を受け取って部屋へ
・水分がとれているか、食欲はあるかなどを看護師さんから確認の電話が入り。
・毎日7時と17時に「体温と酸素飽和度(SpO2)と脈拍数」を測定。報告は、専用のスマホ用アプリに入力、送信して報告。
(自分自身で症状を把握するためスマホに保存していました)

<感染症状の状態>
~発症日は3月19日(金)~
【発症1日目】 3月19日(金)
濃厚接触となった3月15日から4日後の深夜には悪寒。
寒気はするが体温は上がっていない不思議な感じでした。
水分もとれていて、食欲もあり。

【発症2日、3日目】3月20日(土)〜21日(日)
のどの痛み、微熱が出始めて、夕方には38.2℃まで上昇。
ただ、身体のだるさ、咳、関節痛は全くありませんでした。
感染症状を比較すると…自分の感覚ですが、インフルエンザの方が症状が強い感じ。
水分は取れているが食欲は少し低下。

【発症4日目】3月22日(月)
ホテル療養開始。
ホテルについてすぐ、看護師さんから電話が入り、状態を話したら、「入院することになりますね」と言われました
17時の検温で、体温38.2℃、Sp02_98%、心拍数102。
体温は37.5度から下がらなく脈が速くなってきました。

⇒ホテルに入ってからのどの渇きが強かったので、脱水になっていると思い、
看護師さんに報告しOS-1(1本500mL)を3本もらい、飲むことにしました。
この時、OS-1を、おいしく飲めたので「脱水症状」になっているんだなぁ…と自分自身に納得。
21時45分に、頭がぼ〜としたので検温したところ「39.2℃」まで上がっていました。

【発症5日目】3月23日(火)
体温は38度以下に下がらなくなりました。SpO2は97〜98%と変わりません。
この日の昼過ぎに保健所から「変異株に感染している」と連絡がありました。
「やっかいなものに罹ってしまったな…」と。

夜になり食事が急に食べられなくなり、
咳は出ないもの、気管が腫れて声が出づらい感じになり、
OS-1を飲んでも尿の量も少なく、また、解熱剤(カロナール500mg)を飲んでも熱が下がらないので、看護師さんに入院の手配を頼みました。

【発症6日目】3月24日(水)
入院先の病院が決まり、救急車で搬送され、入院治療となりました。
入院後、すぐに胸部CT検査を受け、両肺に肺炎像を確認。
点滴とステロイドの静脈注射で治療が開始。発熱時には解熱剤の点滴を受けました。

入院して、ほっとしましたね、正直。
ホテルの弁当とは違い、出された食事には揚げ物がなく、よかった。
のどの痛みがつらかったので、飲み込みやすいお粥にしてもらい、ほとんど食べることができました。

今思えば、発症当時、札幌市内の感染者も少なかったので、ベッド数にも余裕があったことと、個室に入院させて治療を受けられて、とても恵まれていたと思っております。

【発症7日目】3月25日(木)
体温は37.3〜38.8度、SpO2は95〜96%で経過。
6〜8時間おきに解熱剤を使わないと下がらない状態は前日と変わりませんでした。
のどの痛みは強いので、お粥にして声が出ずらい感覚はまだありました。SpO2は95〜97%と、少し下がっていました。

【発症8日目】3月26日(金)体温は37.0〜38.1度、SpO2は95〜96%で経過。
前日まで体温が下がらないのでステロイドを倍量に増やす事になりました。
その後、解熱剤で、37.0℃まで下がるときも出てきて、解熱剤の使う間隔も8〜12時間に延びてきました。
同じ時に感染した当院のスタッフ2人も別の病院に入院。入院先でアビガンを処方されたと連絡が来たので、自分も、主治医の先生にアビガンの処方を頼み、夕方から内服を始めました。

【発症9日目】3月27日(土)
体温は37.0〜37.9度、SpO2は96〜97%で経過。
発症してから初めて、寝ているときに汗をかくようになりました。
汗をかいたら身体ガ少し楽になった感じがしました。体温は37℃台で経過のだるさはまだ残っているが、熱などの症状はなし。

【発症10日目】3月28日(日)
体温は36.5〜37.3度、SpO2は95〜97%で経過。
この日から体温が36℃台に下がってきました。最高でも37.3℃なので解熱剤の使用は終了となりました。
食事は全量摂取していましたが、まだ、身体のだるさ、ぼ〜っとした感じは残っていました。

主治医の先生から、新型コロナウイルス感染症は、発症日から7〜10日頃に急激に悪化する症例があるのと、変異型は、まだ症例数が少ないのでなんともいえないが、重症化しやすいと聞いていました。
自分は、10〜14日頃が勝負所で、ここをどうのように過ごせれるのかをずっと考えていました。

【発症11日目】3月29日(月)
体温は36.7〜37.3℃、SpO2は96〜97%で経過。のどの痛みはなくなりました。
2回目の胸部CT検査では、肺炎が広がって中等度の肺炎像だったのですが、右下葉に炎症の瘢痕化が見られたので、治る方向に行っていると思いました。

【発症12日目】3月30日(火)
体温は36.7〜37.0℃、SpO2は96〜97%で経過。発熱がないので、入院して初めてお風呂に入りました。身体を洗えてすっきりしました。
身体が細くなって筋肉が落ちているのにびっくり。
アビガンの影響か、皮膚が黄色くなっていました。

【発症13日目】3月31日(水)
体温は36.5〜37.0℃、SpO2は97〜98%で経過。
体調がよくなってきているのか、ステロイドの影響なのか、お腹がすいて仕方がありませんでした。
食事は、出るもの全て食べていました。
この日から、点滴が外れ、ステロイドも飲み薬に変わりました。

【発症14日目】4月1日(木)
とうとう3月が終わって4月になってしまいました。
体温は36.5〜36.9℃、SpO2は97〜98%で経過。
この日を境に、体温は37℃以上にならなくなりました。
声も出るようになり、調子がよくなってきているのが実感できるようになりました。

【発症15日目】4月2日(金)
体温は36.4〜37.0℃、SpO2は97〜98%で経過。
この日以降は、症状の再発もなく、体調も安定して経過していきます。
まだ、テレビを見る以外、何もせずに過ごしていました。本を読んだり音楽を聴いたりする気持ちにはならなかったです。

【発症16日目】4月3日(土)
体温は36.4〜36.8℃、SpO2は97〜98%で経過。
この日からようやく、持参したiPadで本(電子書籍)を読むようになりました。最初は、頭がぼやっとしていて、内容が頭に入らない感じ、頭が回転していない感じでしたねぇ。すぐに読むのを止めました。

【発症17日目】4月4日(日)
体温は36.5〜37.0℃、SpO2は97〜98%で経過。
前日読んだ本を読んでみたら、少し頭に入る感じになったので、休みながら読み進められました。
【発症18日目】4月5日(月)
体温は36.5〜36.8℃、SpO2は97〜98%で経過。
この日から、iPadに入れていた音楽を聴き始めました。昔よく聴いていた曲を聴くと、うれしくなりましねぇ。コロナで死なずに帰れそうだと思いました。

【発症19日目】4月6日(火)
体温は36.1〜36.8℃、SpO2は97〜98%で経過。
本を読んだり、音楽を聴いたりして過ごしたので、ほとんどテレビを見なくなりました。いつもの生活に戻りつつあることが実感できました。病院にはWi-Fiがなかったので、退院してネットのある環境に戻りたいなあと思いました。

【発症20日目】4月7日(水)
体温は36.4〜37.0℃、SpO2は97〜98%で経過。
市内の感染者の数が急激に増え始めたと言うことで、翌日、退院して、再びホテル療養することになります。

【発症21日目】4月8日(木)
体温は36.3〜36.8℃、SpO2は97〜98%で経過。
退院して、再びホテル療養となりました。
入院前と違って、体調がよくなっていて、気持ちの面で全然違いました。
Wi-Fiがあるので、PCでネットを見ることができ、時間を持て余すことはなくなりました。
定時に1階の宴会場まで弁当を取りに行くのもつらくなかったですね。お腹がすいていたので、あまりおいしいと感じなかった弁当がおいしく感じました。もう一つほしかったぐらいです。

弁当を取りに行くと、用意された弁当の数が前よりかなり多くなっていたので、感染者が増えているんだなと実感しました。

【発症22日目】4月9日(金)
体温は36.4〜36.5℃、SpO2は98%で経過。
ホテル退所の基準が変わり、急遽明日退所することが決まりました

【発症23日目~退院~】4月10日(土)
ホテルを退所。無事帰ることになったのですが、発症前から体重が5kg減っていたのと、足の筋肉が落ちていて歩くのもふらふら。
1週間、散歩などリハビリをして、いつもの生活に戻れました。


冒頭でお話した通り、これはコロナ変異株に感染した「僕」の場合です。
症状や経過は、個人差が大きいので、皆さんがこのように該当するというわけではありません。これが、新型コロナウイルス感染症の特徴の一つです。

新型コロナウイルス感染、しんどかったですねぇ。発熱が続いていたら、肺炎を起こしていると思って間違いないと思いますね。

自分みたいに肺炎を起こしていたら、入院して治療を受けなければ、本当に死んでしまうんだなと思いました。

それと、治療にあたる医師や看護師さんが、ガウン、N95マスク、フェイスシールドなどを装着して診療にあたっている姿を見て思ったのは、レッド・ゾーン、イエロー・ゾーンを決めて、防護服に身を包まないと感染するので、普通の風邪やインフルエンザの診察のように外来で普通に診察できないなと。特に、変異型は。

ようやく、ワクチン接種が始まりました。個人個人様々な考えがあるかと思いますが、できる限り多くの方にワクチン接種を受けて頂きたいなと思います。

自分も、ワクチン接種しますので、新型コロナウイルス感染者がワクチンを接種するとどうなるのかをお伝えできればいいと思います。


最後に、治療中は、ホテル療養先の看護師さん、保健所の職員さん、そして入院先の病院の主治医の先生、担当の看護師さんと、色々な方に助けられて、大変お世話になりました。本当に有り難うございました。
特に、治療にあたった、先生と看護師さん、感染の恐怖心もある中、普段通りに接していただき、大変感謝しております。
入院できて治療できたおかげで、今のところ、後遺症はなく、感染する前と同じように診療を行っています。

 

内科医 SATO

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