KKロングセラーズの編集長/富田志乃さんのblogを読んで、
人間関係と「秘密」のことを思いだしました。
秘密について考えたことがありますか?
秘密の意味や効果、秘密の力など。
「あれも、これも、秘密なの?」
秘密の世界に、魅力もあります。
「秘密って、何だろう?」
二人だけの、秘密だよ。
小此木啓吾(おこのぎけいご1930~2003)著 医学者、精神科医。
『秘密の心理』(講談社現代新書1986年)
p15-19 秘密は対人距離を決める
秘密を誰に語り、誰に語らないかは、誰が内輪になり誰が外に人になるか、
お互いの境界をつくり、心理的距離をきめる。
p21-22 集団の結束と秘密
秘密を守る心理は、集団の団結と結束を強化する上で大変に重要な
役割りを果している。
「これは、集団のトップの能力が問われることもある。
良くも悪くも、秘密の影響力の大きさは、組織の展望を左右する。
聞き取り調査をすると、その実態に驚くこともある。(トム)」
p23-25 家族だけの秘密
こうした秘密を共有しながら、外にはなるべく話さないようにするという
気持ちが、同時に、その家族メンバーがお互いに家族だという内輪意識、
あるいは家族としての連帯感を形づくっている。
p57-59 最初の嘘と仮面のはじまり
「子供が親に対して最初の嘘をつくというのは、一体何を意味しているのだろうか。
換言すれば、親に知られない権利、つまりプライバシーの権利への要求こそ、
親と自分の自他の境界を確立し、自我意識を発達させるための最も重要な要因で
ある。それが、自分自身の意識というものをはっきり自分のものにする大きな
課題である」
秘密の意識が、具体的に読み解かれている名著です。
「秘密って、何だろう?」を考えていたので、とても学びがありました。
多湖輝(たごあきら1926~2016)著 心理学者
『日本人が育んできた“生きる知恵”曖昧力』(学習研究社2008年)
p52 「……等」は、いい切らない日本人の知恵
p96 自由を最大限に謳歌(おうか)する「曖昧力(あいまいりょく)」
p150 曖昧さを力に変える前方向感覚
秘密と曖昧について、その心理的な意味を学んだのは貴重でした。
人間関係は、見えない心の糸で結ばれている。