「おはようございます」

        「窓を開けて、空を見上げたら、いい天気です」

        「そちらのお天気は、どうですか」

 

        去年の今日の記事は「いいお天気ですね」でした。

        どうして、挨拶の時、お天気の話をするのでしょうか。

 

        成人式の日、中学時代のクラスメートに会って、

        彼の自宅で話したことを、いつも思いだします。

        彼の部屋には、ローリング・ストーンズの

        キース・リチャーズのポスターが貼ってありました。

 

              この写真のポスターでした。

 

      その時、友人の「『いい天気ですね』って、無駄な言葉だよね。

      いい天気なのに、わかっているのにさ」の話題に、

      僕は、その答えが見つかりませんでした。

 

        それから7年後、図書館の本を読み漁っている時、

        ある言語学者の1冊に出合いました。

 

      

 

       2010年9月25日に、アマゾンにレビューを書きました。

   タイトル「“いい天気ですね”の大切な意味を知る。」(11人、役に立った)

 

      サミュエル.I.ハヤカワ著(1906~1992)言語学者、政治家
        『思考と行動における言語』(岩波書店1985年)

    p91  「良いお天気ですね」

        「良いお天気ですね」

       (一つの点で一致が得られた。話しを進めても安心だ)

        「この夏はお天気が続きましたなあ」

 

        「よく続きました。春もようございました」

       (二つの点で一致が得られた。相手の方が第三の一致に誘う)

     「ほんとに、いい春でした」(第三の一致に到達)
      (中略)どんなに平凡なきまりきったことであろうとも、
      新しい一致が得られるごとに、初対面の懸念と猜疑心は拭い去られ、
      友情の可能性が増す。



        「いい天気ですね」、「そうですね。寒いですね」
      挨拶の切り口の言葉と、会話の同調から心の歩み寄りになる。


      人と人が暮らす社会の潤滑油として、「いい天気ですね」は、
    無駄なようだけど、とても大切な役割があることが読み解かれている。


      僕らの言葉は、用件だけと伝えるだけではない。
    心と心をつなぐ、先人たちの紡いできた言葉の歴史が、ここにある。

 

       2014年7月13日に、アマゾンにレビューを書きました。

      タイトル「女房との人生を考える時…。」(1人、役に立った)


         川北義則(かわきたよしのり1935年生まれ)
     『女房対策 家では女房を上司と思え』(サンマーク出版2014年)

     p11 女房対策につまずくと人生につまずく

     p83 「味」をほめると女房の「女」が目覚める

     p119 「ありがとう」は口に出して言う

   「いい天気ですね」は、人間関係の潤滑油。
      

    

 

              友井総合研究所

           http://www.tomoisoken.com/