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私の体調が優れなかったわけではなく、妻の状態が悪かったわけでもありません。妻も、私も元気なのです。
今の妻は骨転移や胸椎の圧迫骨折の痛みもなく、日常の生活では近所の健康な奥様方にも負けないパワーと、前向きな気持ちで元気に過ごしています。それは、乳がんのステージⅣに入り込んだ妻が、同年代の健康な奥様方よりも若々しく、気力ともに充実しているのを近所の方々が認めている。
妻がそういう病気だとは知らない方々からは、「奥さん、いつもお元気で良いわね。私なんか、もうヨレヨレで駄目です。」 と云われている。
三ヶ月ほど前までは、私も妻の家事労働にも気を遣い、風呂から上がれば壁のタイルの水滴を拭き取り、掃除機は私が担当し、食器洗いも積極的に行っていたのですが、今は、全て妻が担当しています。妻自らがそれを希望しているのです。
寧ろ、「私は大丈夫！」と言う妻の暴走を抑えるのが私の仕事になっている。
日常の生活に不自由を感じない・・・と云うか、元気で過ごせていることに二人は幸せを感じています。
不思議なものですね。このままではお金が足りなくなる・自由な時間が奪われる・老後の楽しみが失われる、と言っていた妻ですが、・・・そういう我欲よりも、今を元気で過ごせる、今の時間を楽しめる、日常の些細な喜びを感じ合える、今日食べたアジの干物が美味しかった、時間を作って日帰り温泉を楽しもうよ・・・そんな語り合いに幸せを感じている。
そんな時間が続いて欲しくて、身を粉にして仕事をこなしてみよう、と云う自分がいる。
不思議ですね 人間って