凶悪で残忍な事件が多いですね | 髭の拝さんのブログ

髭の拝さんのブログ

病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
健康回復の道筋を説きます。
物売りサイトじゃないです。
よろしくお願いします。

 

大人たちも、子供たちも、その心は道徳や倫理観を教えるだけでは救い得ない、のかもしれない。私はそう確信しています。



自分が子供だった時代に、父親がニュースを見ながら「最近は凶悪な事件が多いな。昔は凶悪な事件はこんなに多くなかった。」とポツリと言った。

私はオヤジに逆らってみた。「昔はテレビもなかったし、新聞もローカルな事件記事は少なかっただろうし、情報量が少なかっただけじゃないの?」


「いや、そんなことはない!」・・・オヤジは憮然として言い放った。


私の親父殿、法務省の役人でそうした事件にも情報通で 「いや、そんなことはない!」 と言い放った言葉は正しいのだろう。

50年以上前に中学生であった世間知らずの子供が、オヤジに突っかかってみた、というだけの話です。



50年経った今、「最近は凶悪な事件が多いな。昔は凶悪な事件はこんなに多くなかった。」と、オヤジの言葉をオウム返しのように言う自分がいる。


長崎県佐世保市の高1女子生徒(15)殺害事件、今朝のテレビで、教育評論家の尾木直樹氏(尾木ママ)が「女子高生が一人でマンション暮らしをしていれば、満足な食事も摂らずに問題が出るのではないか? 神経は食事によって狂いが生じる。」と発言していた。



ここで、その事件を語る訳ではなくて、分子整合医学を学ぶ者として、私も同感なのです。

「最近は凶悪な事件が多いな。昔は凶悪な事件はこんなに多くなかった。」と云う理由を、解り易く整理するつもりで少し綴ります。

それは、教育、道徳、倫理観、親の愛情などの影響だけを語るのではなく、脳内の生化学的変化が正しく作用しない為に、心を歪ませているのを見過ごしているのではないか? そのような観点で考えてみたいと思います。



()はなぜ食事の影響を受けるのだろうか?

食事が脳に与える影響として、脳の重量は体重の1/40ほどなのに、酸素と糖を全身消費量の1/5も必要とする臓器である。この二つの不足が生じるだけで、最初に精神・神経症状を現わすのは当然の結果なのです。・・・と云うことを、前置きとして記しておきます。



また、脳内でエネルギーを作り出すときにビタミンB群やアミノ酸が、エネルギー産生に不可欠であるのも理解しなくてはいけない。そうした脳内化学物質不足からエネルギー不足が起きると、脳の機能を正常に保てない、という事実があります。

同様に、タンパク不足の食事では脳に届けるアミノ酸(タンパクの部品)が不足して、脳機能を正常に働かすことができないのです。


ビタミンB群及びアミノ酸の不足は、感情、意志、知識、思いやり、情などを人間らしく正常にさせる「神経伝達物質」を脳内で作りに難くしてしまう、ことを理解して戴きたい。


例えば、余りにも理不尽な事柄で苦境に追い込まれた時、人は誰でも興奮するものです。時には、怒り狂う瞬間があるかもしれません。ですが、私たちは数分から数時間のうちに、その激怒に近い興奮は和らげられて、数日のうちには、冷静さを取り戻すことができます。


温厚な人はそうなれるのです。


では、人は何故、温厚になれるのだろうか? 何故、時間と共に落ち着くことができるのだろうか? 


その時に脳内で、どのような生化学的変化が起きているのか、それを理解するのはとっても大切なことなのです。・・・私たちが、柔和で温厚でいるために。


人が怒り・哀しみ・不安になる、時には、途轍もなく至福感を味わう、この状態を神経の興奮といいます。



人の脳内には、神経の興奮を収める神経伝達物質がありますが、一つは、「セロトニン」、そしてもう一つは、「ギャバ」。

この二つが脳内で欠乏すると、怒ったときにはキレまくり、暴れまくる。悲しくなったときは、落ち込んで、引き篭ります。・・・その終末像として、怒りが止まらない時には暴力を振るうことになり、殺人にもなり、また、悲しみのどん底に落ちた時には自傷や自殺へと繋がることになります。



神経興奮を収める『セロトニン』

神経伝達物質『セロトニン』・・・なんとも堅苦しくて不可解な専門用語。この物質の説明は割愛しますが、セロトニンが欠乏すると、人は神経の興奮(怒り・不安・悲哀・至福感など)を収められなくなる、ということだけは記憶してください。(至福感は人に幸せな感覚を齎せてくれる、と云う意味もありますが、度を過ぎると統合失調症を発症させると理解されています。)


そして、セロトニンは、神経興奮を収める度にその量が減少してしまう物質でもあります。


この神経伝達物質は、薬で脳内に注入することができなくて、脳内で作らせるしか方法はないのです。末梢組織では血小板からセロトニンは作られますが、それは脳内に入り込むことができません。



脳内でセロトニンを作るためには、原料としてタンパク質の部品である『トリプトファン』、『ビタミンB6』、『ナイアシン(ビタミンB3)』がなければ、作り出すことができません。(タンパク不足、ビタミンB群不足の食事が持続するだけで脳内セロトニンが枯渇するという意味です。)

そのほかに、糖質をエネルギーに変換するときにビタミンB群が消費されることも記しました。つまり、砂糖菓子をたくさん食べたり、甘いジュースをいっぱい飲む人はビタミンB群欠乏となり、やがて、脳内セロトニン欠乏を引き起こすことになります。



ギャバも抑制性アミノ酸であり、セロトニンと同じように、神経興奮を収める働きをしてくれます。このギャバも、食品や薬品として脳内に運び込むことはできないので、脳内で作らせるしかないのです。ギャバの原料も、ビタミンB6とナイアシンですから、砂糖菓子や甘いジュースの摂り過ぎはビタミンB群を使い果たして、ギャバは生産できなくなります。


この二つの神経興奮抑制物質が枯渇するだけで、人は自制心を失い、自ら抱く興味の善悪の判断もできなくなり、一本径を突っ走るようになります。往々にして、その一本径は良くない方向へと向かいます。



その他にも、ビタミンB群の不足が人格を壊す、という検証結果を記しています。一部、再掲します。

『心と栄養   人の性格や心の質を、食事内容を変えただけでは方向づけられない、と、私も思います。しかし、いつも心の穏やかな人たちの食事が良くない方向に変化しただけで、荒れ狂うほど心の質が悪くなってしまった、と云う事実もあるのです。それは、実験調査の場で現実に起きました。彼らの穏やかな心が荒れた心へと変化するさまを、目の当たりに確認した精神科医や科学者たちがいる。


http://ameblo.jp/vitamin-receptor/entry-11832448144.html

ホメオスターシス(生体恒常性) その4  2014-04-24 17:31:46 テーマ:栄養療法

 是非とも、ご一読ください。