毎日暑いですね。
この暑さを乗り切って健康維持する為には知識も必要で、ブログ・熱中症に記したことも、その内の一つです。そして、その知識を応用・実践するとそれは知恵に変わります。知識のまま埋もれさせてしまうのは勿体無いです。
夏の甲子園野球が始まりますね。テレビやニュースで見るたびに感動させられるのですが、その半面、彼ら、特にピッチャーの肩や肘への障害が気にかかります。
監督やトレーナーは選手の運動パフォーマンスを向上させるだけではなく、選手の体を守ることが大切な仕事になるのだと思います。
ところが、人体の隅々までを理解しているかというと、そうした知識はゼロに等しい。そういう監督に、叱咤激励されてトレーニングを繰り返しているわけですから、選手たちは体を壊して当たり前なのです。
体は鍛えれば鍛えるほど強くなる、と信じ込んでいるのは監督だけではなく、世間一般の通念です。しかし、ここから間違いが始まります。
筋肉はトレーニングによって、より強固・強大になります。しかし、筋肉と違って関節は、運動が激しければ激しいほど劣化していきます。
関節の構造イメージ図を見てください。
一口に関節と云っても、なかなか理解し難いでしょうから、少し説明してみます。それは、軟骨・滑液・関節包・靭帯・腱、それら全てをひっくるめた1ユニットが関節なのです。どれが劣化しても故障が生じるのです。
図中で関節軟骨と云う黄色表示された部分は、上の骨と下の骨がぶつかり合わないように骨の先端(骨頭)を保護しています。
腱は、筋肉と骨を結ぶ役割を果たしています。下の骨と筋肉を繋ぎ止めている筋肉を束ねていて丈夫なコラーゲン線維に満ちているのです。手や足を曲げる時に、縮んだ筋肉の総力が腱に伝わり、関節を支点にして他方の骨を引き寄せます。
そして、靭帯は骨と骨が離れ離れにならないように、コラーゲンの帯で強固に結びつけています。
関節腔には滑液という軟性の強い物質があり、骨と骨の軟骨間にあるクッション材です。
ヤンキースの田中将大投手が、右ヒジじん帯の部分断裂でチームを離れることになった、というニュースに大騒ぎになりましたね。
田中投手の故障個所ですが、肘関節ですから、このイメージ図とは異なりますが、腕の上腕骨と尺骨、或いは上腕骨と焼骨が離れないように繋ぎ止めている、靭帯部分です。靭帯部分断裂とは、その繋ぎ止めの役割が一部分破損したことを意味します。
ボールを投げ出すときに、上腕骨と尺骨・焼骨が強い遠心力によって引き離される力が働き、靭帯を切ってしまったのでしょう。
野球の専門家は、関節は消耗品だ、と言い切ります。でも、そういう解説よりも靭帯を丈夫にするためにはどうしたら良いのだろうか? と云う発想を持たないと、この種の故障は防げないことになります。
もしも、田中投手が高校時代から現在に至るまで、下で説明する栄養補給をしていたならば、今回の怪我はなかっただろうと思います。
そうした事故が、皆様のお子さんに起きないように申し上げたい。
夏休みは子供たちも一所懸命になって部活に励みます。暑熱ストレス、運動ストレスは子供たちの体を痛めつけます。それを守れるのは親しかいません。
スポーツで鍛えられた筋肉が強いほど、靭帯に負担が掛かりますので、筋力に負けない丈夫な靭帯を作り上げなくてはいけません。
以下、関節を丈夫にするためにはどうしたら良いか? と云うお話です。
関節だけは鍛錬しても丈夫になりません。軟骨・滑液・関節包・靭帯・腱、その全てが栄養素を材料にして強化されます。
特に、靭帯と腱は丈夫さが命なので強くするためには至適量の栄養摂取しかありません。
そのためには、体に頑丈なⅠ型コラーゲンを作らせるしかないのです。(コラーゲン飲料やコラーゲン食品を食べても何の効果もありません。)
以下は、頑丈なⅠ型コラーゲンの材料となるもの、運動ストレスに負けない体造りの役割を果たす栄養です。
タンパク質・・・体重1kg当たり2gのタンパク摂取。コラーゲン材料として。
動物性鉄(ヘム鉄)・・・30mg以上摂取。強固なトロポコラーゲンに必須。
ビタミンC・・・4~5g摂取。強固なトロポコラーゲンに必須。
ビタミンE・・・400mg以上摂取。運動による酸化防止作用とスタミナ維持。
ビタミンB群・・・ビタミンB1を基準として50mgバランスを持ったビタミンB複合。代謝の円滑化を図る。
カルシウム&マグネシウム・・・600mg:300mg、こむら返りを防ぐ、骨代謝に不可欠。
コンドロイチン硫酸&グルコサミン・・・総量で2000mg摂取。関節の健康維持。
伸び盛りの中学生・高校生用に記しましたが、トップアスリートであるならば、上記の2倍量が必要になります。
スポーツ医学の必要性が叫ばれるようになりましたが、現状では、怪我をしてから治療するスポーツ障害の医師しかいません。本来ならば、スポーツで故障させない予防医療を真のスポーツ医学と言うべきですね。
次のテーマは、凶悪で残忍な事件についてです。