骨転移が発覚 | 髭の拝さんのブログ

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病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
健康回復の道筋を説きます。
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 検査当日の9月17日、胸部CTの結果が出た。

 転んだ際に「右第二肋骨腹側に骨折が観られる」
 前回4月11日との比較で右肺に散在する小結節影は継時的変化を指摘できない。
 縦隔リンパ節の腫大が前回より目立つ印象があり、右気管気管支リンパ節の腫大24mm、右肺門リンパ節の腫大もあるが、単純CTのみでは脈管との分離道程が困難な為、造影CTで確認下さい、
と、所見に書かれていた。

 骨折から一か月半も経っており、疼痛部位と骨折箇所に一致がないのは別の疼痛原因がありそうだ。私はそう感じていた。

 会員制クリニックの対応は早かった。その場で、放射線専門クリニックへの予約を入れてくれた。素早い対応に感謝です。すぐさま家内を連れて、有明にあるそのクリニックを受診すると、検査と治療方針等々、考えられることを細かく解説してくれた。
 そして、問診の後、聖路加メディローカスでのPET-CTを19日に設定してくれた。

 PET(ペット)検査とは、癌が糖を好む性質を利用しています。放射線被曝させた糖のような薬剤を、注射してから行う陽電子放出断層撮影のことで、癌が全身どこにあっても、薬剤がそこに集まることで癌の存在を確認できる検査です。
 最近はPETとCTを組み合わせたPET-CT検査"も増えています。くすりが集まる様子を撮影するPETと、臓器の形状を撮影するCTを組み合わせ、一度の検査で両方の画像を重ねて表示することができるようになり、診断精度が向上しています。


 問診とPET-CTの予約を入れて家に帰ると、家内は抱える不安を一気にぶちまけてきた。
 「僅か4か月間でこんなに大きくなるなんて、余程、悪性度の高いがんなの?」
 「私はあと一年くらい生きられる?」


 意味のない励ましは却って心を傷をつける。だからと云って、私自身が抱える不安を馬鹿正直に語ることは出来ない。

 「4年前に、手術した主治医が説明してくれたのは覚えているよね。乳がんの悪性度は3段階中の3です、と。・・・そう云っていたね。でも、分子整合医学的に、どのような対応をすれば良いのか? 最善の道を探そうよ。」

 「あと一年生きられる? って、今の段階では誰にも答えられないよ。きっと神様でも。ただ、このまま放置すれば、そう遠くない時期にリンパ液が滞り、顔や首に酷い浮腫みが出て、胸水は溜まり、日常生活に差支えが出るだろう。そうならないように、19日にPET-CTを撮り、その結果が出たら治療デザインが確定するのだから、不安だろうけど、今は待とう。」「もう一つ付け加えれば、がんの末期には栄養状態が悪い悪液質と云う状態になる。そうなってしまうと心身ともに苦しみ、免疫力も衰える。ただし、これは栄養補給しない場合の話だ。悪液質に陥らないように、今まで以上に、栄養補給を続けよう。そうすればきっと、生活の質を落とすことなく、予想を超えて長生きできるはずだ」


 答えようのない問題を問われるのは、実に辛いです。

 9月19日。聖路加メディローカスでPET-CT検査。聖路加病院が新設したこのクリニックの対応は素晴らしかった。スタッフ全員が懇切丁寧で、上から目線でものを云う人間が一人もいない。スタッフの対応には威圧感や不快感を与えることが全くない。家内はそれも喜んでいた。
 加えて、日本に5、6台しかないPET-CTが設備されており検査精度が高い。有明の放射線治療医が第一に薦めてくれたのが頷ける。

 9月27日。PET-CTの結果です。
 医師は、縦隔リンパ節腫脹が肺がん由来である可能性がある、と想像していた。多くの場合そうだからである。
 それに加えて、今まで受けた血液検査(特に腫瘍マーカー)の値が、乳がんでは陽性を示さないものが多かったこと、内臓疾患で上昇するマーカーが高かった事、当日検査した血液検査が、やや高値で、それは肺がんでは特異的に高く出ること、等々があったからだ。

 PET-CTでは、首のリンパ節から肺門リンパ節までが一本の連なりを見せるように赤く染まっていた。
 その他に、背骨から出る肋骨の一本に、骨の途切れと小さく赤く染まる集積が見えた。これは骨転移で、骨折部以外に疼痛を感じていた原因であった。

 医師は、PET-CTの医師の所見「乳がんの転移」を信じることにした。

 骨転移とは、骨が癌になるのではなく、骨にある巣(空洞の穴)のような部分に癌が住み着いて増殖することを云います。殆どの場合がそうなのです。ですから、骨粗鬆症ではそうした巣が多くなり、転移してきたがんの棲家(骨転移)となり易いのも見逃してはいけません。骨粗鬆症はそうした意味でも防いでおく必要があります。
 骨転移しやすいがん腫があって、肺がんが最も多く、乳がんと前立腺がんがこれにつぎ、腎がんや肝臓がん、子宮がんなどが多いことが知られています。


 4年前に乳がんで腋下リンパ節廓清をしたにも関わらず、なぜ今、リンパ節転移となって現れたのか? 
 家内のがんについて、今更それを考えても始まるものは何もない。
 でも考えたいのです。答えは出なくても考えたいのです。