心と身体を緩めて穏やかなあなたへ戻す場所
治療院 『ばいたるえなじ～』
癒し手しげさんのアシスタント、くみです。
今日は、しげさんの幼少期のお話。
しげさんは、おばあちゃん子だったそうで、
よく、「同居していた父方のばあちゃんに、
すごく可愛がってもらったんだよね」
という話をしてくれます。
ただ、ここでいう可愛がってもらったというのは、
甘やかして育ててもらったというのではなく、
かなり厳しく躾けてもらった、ということなんです。
しげさんは、本当にしょっちゅう
「ばあちゃんに躾けてもらって本当に感謝してる」
とよく言っていて、
色々なエピソードを聞かせてくれるのですが、
そんなお話を聞かせてもらう度に、
本当に筋が通っていて、
頭のいいおばあさまだったんだなぁと感動するんです。
そういうエピソードの中の、
最近ふと思い出したお話をひとつご紹介しますね。
しげさんが小学校一年生の夏休み、
初めて自分だけで親戚のおうちに泊まりに行ったんですって。
最初は少しビビっていたそうですが、
慣れてしまえばとても居心地がよく、
六歳年上の従兄のお兄ちゃんが遊んでくれたり、
とても楽しく過ごしたしげさんは、
二泊三日の初めてのお泊りから帰りたくなくて、
家に帰ったあとでも、
「楽しかったな〜。
もっと居たかったな〜。
まだ帰りたくなかったよ～。」
なんて言ったらしいんです。
そうしたらおばあちゃん激怒。
「そりゃあ、楽しかったじゃろうよ。
どねぇに悪さしても怒られんし、
和ちゃん（従兄）も、よぉ遊んでくれたじゃろうよ。
じゃけどの、お前が泊まりにいっちょる間、
お父さんもお母さんも、
何かっちゅうと、『しげはなにしよるんかのぉ』
『おったらおったでやかましいが、しげがおらんかったら寂しいのぅ』
ゆうて、お前の話ばっかりしよったど？
お前が帰ってきて、
お父さんもお母さんもどんだけ嬉しいと思うちょるかわかるか？
帰りとうなかった、もっと居りたかった、ゆうことは、
家と比べて和ちゃん家の方が良かった、ゆうことで？
そんなに和ちゃん家が良かったんなら、
もう帰って来んな～や。
そんな積りじゃなかった、言うてもの、
お前が言うた言葉にゃ、そういう意味があるんで。
お前がそねぇなこと思うちょらんでも、
その言葉にはもうそういう意味が含まれるんで。
何か言う時にはの、
その言葉を聞いた人が、
その言葉に含まれる意味のせいでどねぇな気持ちになるか、
そこまできちっと考えんとつまらんど？」
そんな感じで、
「そんなに帰りたくなかったんなら、もう帰ってくんな」
そんな風に叱られて、わんわん泣いたそうです。
・
・
「ばあちゃん、
小学校一年生のわしにも分かるように叱ってくれたんよね。
言葉には、意図していることとは別の意味が本質的に内在することがある。
その意図しない別の意味がどういうものか、とか、
自分の発言を聞いた人が、どういう解釈をしてどんな気持ちになるか、とか、
そのときから考えるようになった」
と、しげさん。
そういえば、うちの双子、
夏休みやシルバーウィークに、
私の実家や親せきの家に泊まりに行ったとき、
帰ってくるなり「もっと居たかった〜」という発言を…。
それを聞いた私は、
「はいはい、また行けるからね」
なんて軽く言ってしまいましたが、
しげさんに叱ってもらったら良かったな。
私も気をつけたいと思います。
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