ヴェネト地方で寿司が食べられるようになると、まるで釣り師が足を踏み入れなかったところに釣り糸をたれてみると魚が見る見るうちに食いついてきて、苦労なく、どんどん釣れるようなものである。  


そんなときにも地域の料理研究を忘れない具井戸は、まい子さんとシェフとの3人で、名物料理が食べられるお店を情報収集して、この地方独特の野菜「ラディッキオ」を使った料理店を訪ねる。



radicchio intero
 


このラディッキオとは、日本では、西洋チコリ、アンディーヴとして知られるものだが、トレヴィーゾ産は、全体にヒョロヒョロしたもので、味には定評がある。町の名前から日本でもトレヴィスとしても知られている。 

スーパーマーケットでは、単にサラダと言う名前と続いてinsalata trevisanaと書かれていたりする。

根に近いところに旨味があり、先っちょは、赤みがあって微妙な苦味がある。イタリアのレタスは口の中でガシガシした感触がある分、この野菜はとても柔らかくデリケートである。しかも、そのままサラダにしてもいいし、パスタやリゾットと和えても、鉄板で焼いてもおいしい。  



treuma

今回は「ラディッキオづくし」することにして「zuppa di radicchio」(ラディッキオのスープ)「tagliata di manzo sul letto di radicchio」(牛肉の切り肉ラディッキオ乗せ) 寒い冬は、この暖かさがグッと来る。グツグツに煮たラディッキオは、とてもトロトロにほどよく溶けて、口の中でわずかにツルンとした感触を感じる。スプーンで何度も口に運ぶほど味がハッキリしてくる不思議さ。 


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そして牛肉は、外側だけをカリッと中をふんわりと焼き上げ、今度は生で敷きつめたラディッキオと一緒にいただく。 

血が滴るようなお肉と生でサクッとした野菜の味が噛むごとに見事に調和され、これほどなんにでも合わせる社交的な野菜は珍しい。まるで性格のいい女性が、どんな男にも合わせられ、それがモテル秘訣になるにも似ている。 Amicimiei hostaria con


cucina via Palestro 8 Treviso(水曜定休)  


具井戸は、このラディッキオを日本料理にも使うことを提案した。


 

お知らせ


トレヴィーゾの成功に引き続き、今度はミラノ・マルペンサ空港近くガッララーテの寿司バーもオープンします。ここで仕事をするのに興味ある人は、ぜひご連絡下さい。