Toshi2スカイで出演

以前のブログ でも書いたように、大部分の日本人には牛乳にふくまれる乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が欠損しているために、乳製品は味においしいために、大好きでも消化できずに、胃がもたれるわけで、実はと言うとイタリア人でさえ、フレッシュなミルクがダメな人、乳製品を控える人。さらにはベジタリアンになって、動物性の食品を一切受け付けない人がいるくらいだ。

 それでもイタリア料理といえば、地中海の海の幸がたくさん食べられ、オリーブオイルは体にいい。ワインは体にいい。と、バランスのよさを売り物にしてきた。

 時代によって、地方によっても違ってくるが、日本にあるイタリア料理店と比べると、本場ではかなりの肉と乳製品を使う。


  グイドは、イタリアにやってきた頃、イタリア料理を研究したくて、食品関係の会社で仕事をしていた。イタリアの旅行中にラザーニャのおいしさを知り、ぜひつくってみたくて、ラザーニャを作る部門を希望したくらいだ。

  ミートソースでしられるラグーは、解凍された牛肉をミンチにして、これまた解凍されたにんじん、セロリ、たまねぎといった野菜、トマトソースでつくられる。それから毎朝、大量のミルクがタンクから大鍋の中に波波と入れられ、べシャメッラソースが作られる。溶かしたバターにミルクを注ぐと小麦粉が溶かさせる。

  この会社では、ニョッキ・アッラ・ロマーナもミルクたっぷりで作る。ローストビーフの巨大な肉の塊が焼ける匂い。

  

  これより2年はあと、イタリアから食品を日本で輸入して、その頃筍のように増えていたイタリア料理店で使ってもらおうと販売をして回った。取引先では、時々食事をご馳走になることがあった。

  メニューを見ると、パスタと魚料理が目立つ。日本でのイタリア料理を飛び越して本場でゼロから見てきた料理と同じモノを使っていても、献立の内容がかなり違うのに驚いた。日本で食べた後、イタリア料理なのに、おなかがやけに軽い。

 あるとき、一番お世話になっていたシェフとマネージャが食事中のときに訪ねてしまった。それでも、にこやかに迎えてくれたのだが、彼らが食べているのは、なんと日本そばだった

  つまり、イタリア料理は、仕事用に作るものの彼らにとっては、日常の食生活には取り入れられてはいなかった。

  その頃「イタリアが懐かしい」なんて思っていた。


  あれから10年以上が過ぎた。イタリアのイタリア料理に慣れたグイドも、頭と舌はイタリア料理バンザイなはずだったのに、消化器はヘルプ~である。

  中には、イタリア料理をずっと食べ続けるだけで、イタリア人みたいになると漠然と思っている人がある。

  そうなる前に、何世代という先祖が、何世紀にも渡って食べてきた食生活でつくられた体がついて行かない。

  それでもイタリア料理は大好きだから、ミルクや乳製品などを控えてゆく。肉よりも魚を積極的にメニューに登場させる。(実際魚のたんぱく質や脂肪は、陸の動物のものより体にいいといわれている)女性の場合、ダイエットとしてカロリーなどを控えているのが幸いしているかもしれないが、イタリア料理を食べながらもある一定の法則が生まれた。


  気がついたとき、ここイタリアでグイドが食べているイタリア料理は、日本のイタリア料理にとても似ているのだ。そもそも、イタリア料理に使われているトマト、茄子、トウモロコシなどなど500年前にコロンブスがアメリカから運んできて以来の食品もあるし、ここ50年の間に、イタリア人がメニューに肉を取り入れるのが増えてきただけであって、バランスを失いはじめてベジタリアンになったり極端な例も登場するのだ。


  イタリア料理も、最近かなりヘルシーで、ライトになってきた。日本のイタリア料理が逆輸入されつつある。そんな時、グイドは日本におけるイタリアに興味を持っている。