愛する男を欲するあまり、彼の命までもその支配下に置きたくなってしまう女王様体質というのか、ヤンデレ体質というのか。

 

これが逆の立場で、男が女を愛するあまり、その命まで支配下に置きたくなってしまった場合、それはほぼ確実にストーカーとかDVとかモラハラってことになると思うんですけど、女性がそう思う場合はヤンデレで済まされる(ただし美女に限る)というところがなかなか深いですね。

済んでないかもしれないけど。

 

ヤンデレ・ヒロインとしてはすでに十分語ってきたサロメが筆頭かと思いますが、アーサー王伝説にもすごいのが登場します。

名前からしてかっこよすぎる、モルガン・ル・フェイ。

妖姫モルガンと呼ばれることも多い、アーサー王物語における裏ヒロイン。

なんと、アーサー王の、父親の違う姉です。

しかも、禁じられた魔術を使いこなす魔女にして絶世の美女。

そう、のっけから近親相姦、ヤンデレ、魔法使い、そして美女

中二病的設定、盛られすぎ!!!

 

フレデリク・サンディーズのこの絵が有名ですが、私はもう少し妖艶な感じを妄想してます。

 

そもそもアーサー王という人は英雄な割に生まれからしてちょっとアレで、簡単に言うと、

 

アーサーの父親であるユーサーは、人妻を好きになってしまい、計略により彼女の夫を謀殺して結婚し、アーサーが産まれている。

 

というところから始まるんですよね。

英雄っていうかもう呪われた子供なんじゃないか、って気がしますが、この、謀殺されちゃった最初の夫の娘がモルガン、そしてその姉妹たちです。

そりゃ、アーサーに罪はないよ。罪はないけど、父親の違う姉であるモルガンたちとしたら、アーサーが偉そうに「伝説の王」をやってるのは面白くないでしょう!

何しろ自分たちの父親を謀殺した男が、母親を略奪してできた弟なんだから。

 

その復讐心からなのか、禁じられた魔術を学んだモルガンは、アーサー王の生涯を通じて嫌がらせを続けます(笑)。

たとえばアーサーって、所有者が不死身になるチート武器を持っていたのですが、モルガンはそれを盗み出して自分の恋人に与え、アーサーとその恋人を戦わせてアーサーを殺させようとしたりしています。うーんいろいろ倒錯してるなあ!

 

そしてモルガンの妹であるモルゴース(もちろんアーサーの異父姉でもある)も、アーサーにとんでもない嫌がらせを仕掛けます。

モルゴースは、別々に育ったために姉弟だとは知らなかったアーサーと同衾し、子供まで生んでしまうのです。

しかもその近親相姦により生まれた子供・モードレットが、最終的にはアーサーを滅ぼします

笑えないなあ!

 

この二人の姉、モルガンとモルゴースを同一人物とするバージョンもあって、そっちのほうが分かりやすいですよね。アーサーに付きまとって、姉であることを隠して同衾して子供まで作り、けれどほかにも愛人がいっぱいいて、結構本格的に命を狙い続けて最終的には滅ぼすという。

 

つまりアーサーの人生って、

父の違う姉たちに近親相姦込みで強烈な嫌がらせをされつつ、

愛する王妃は自分の親友と延々と不倫してるし、

最終的には自分の息子に殺される。

 

という・・いやこれやっぱり呪われた子供だったんじゃないの?

と思わせるようなとんでもない一生なわけですが。

 

そしてそんなとんでもないアーサーの一生を陰に日向にプロデュースしてきたは毒姉・モルガンは、アーサーが瀕死の時にさっそうと現れて、

なんと彼を治療し、魔法の国アヴァロンに連れ去ります。

フランク・トップハム「アーサー王と妖姫モルガン、アヴァロンへの旅立ち」

 

な、なにそれ????

ヤンデレ過ぎませんか・・?

 

それで・・あのう・・皆様もうわかってるかもしれませんが、わたし、モルガン好きなんですよね・・えへへ。

 

というわけでモルガン考察はまだ続きます。