さてこんなわたしが常にべた褒め、ぶれずに賛美を続けている処女神・アテナ。

 

ですが、まあ、女神ですからね、そこは、気位が高く残酷でもあります。

一言で言って、アテナは、舐められるのが嫌いです、というより、舐められた場合に必ずものすごくひどいお仕置きをします。

 

そういう意味では、ものすごく器が小さいって言うか・・

まあ乙女ってそういうものっていうか・・

 

これだけチート性能盛り盛りの女神なんだから、取るに足らない人間やら下等な神族やらが何をしようが、そんなに怒らなくてもいいじゃん、とも思うんですけど。

勝者の余裕というかリッチピーポーの鷹揚さというか、そういうのとは無縁!

歯向かってくる相手は、それが虫けらであっても完膚なきまでに叩きのめす!それが戦いの女神アテナ!

 

ついうっかりアテナ姐さんに舐めた真似をすると

↑こういう目にあいます。

 

恐っ!!!

 

有名な人(?)なのでご存じかと思いますが、その髪の毛はうごめく数百匹の蛇、見たものを石にしてしまうという恐ろしい魔力を持ったモンスター女、メドゥーサ。

そもそも美しき神族の娘であった、と言われてもちょっとにわかには信じがたいメデゥーサ。

ゼウスの兄であり、海の神(偉い)であるポセイドンの恋人だったメドゥーサ。

 

こんなひどい目にあったのは、この恋人であるポセイドンのせい、というのも大きい。

そもそもアテナとポセイドンて、伯父と姪の関係にあたりますが、仲が悪いんですよね。アテナの名を冠したギリシアの都市・アテーナイの支配を争って大げんかもしてるし。

名前からもわかる通り、この勝負にはアテナが勝利し、今も残るパルテノン神殿はアテナを祀るための神殿なわけですが。

 

その仕返しなのか何なのか、ポセイドンはとんでもない狼藉を働きます。

つまり、この性欲皆無(主観です)の処女神・アテナの神殿で、わざわざ、その恋人と、そういう行為に及んだのです!!

男ってほんとに・・。

 

男性側のしでかしたこととしては、例えばアマテラスの弟・スサノオが、アマテラスの神殿に糞尿をまき散らしたり(何歳なんだ・・)、アマテラスのための布を織っていた織姫たちの館に死んだ牛を投げ入れ、織姫が死亡するという事故が起きたり、なんていうか、自分より格上な女性に対する愛憎入り乱れた「かまってほしい」症候群にも見えないことはないですが、

この時は相手がいたのがまずかった。

糞尿は一人でまき散らすことはできても、そういう行為は一人じゃできません!

 

そうですそれがメドゥーサ。

「私の家で舐めたことしたバカ女にはこんな姿がお似合いね♥」と、あの恐ろしい姿に変身させられてしまうのです・・

 

そしてこういう時、恋人である偉い神々が助けてくれないのはギリシア神話あるある。

海の神って言ったら大体世界で二番目くらいに偉い神様なんだからどうにかしてよ、というのは通じません。だって一番偉いゼウスでさえ、相手が熊に変身させられても何もしてくれないわけだから。

ほんと、この辺の話に出てくる男神たちはゲスすぎる・・

 

しかしまあ本当に女神を怒らせるとろくなことが起きませんね。

アフロディーテの愛人である美青年・アドニスは、軍神アレスの怒りに晒された割には、猪に殺される、という比較的ましな目に合っていますが(しかもそのあとアネモネの花になれるし)

女性が女神の対象になった場合はたいていとんでもないものに変身させられ、そのあとも死ぬよりひどい目に合うことになる。

熊もあれだけど、髪の毛が蛇の怪物ってのも、なかなかよ・・・

いや、これは、命までは取られないだけまだましってことなのか・・?どうなの?

私なら、サクッとしんでアネモネの花にしてもらうほうがいいけどなあ・・そういえばもう一人の美青年・ナルキッソスも、水仙の花に変身させてもらってるよなあ・・どうも男に甘いなあ・・

 

色々考えさせられますが、とにもかくにもメドゥーサはこうして、みんなが知っているあのメドゥーサになったんですが、ま、まあ、アテナにしてみれば許せない侮辱かもしれないけど、ちょっと校則破ってイケないところでイケないことしちゃったら蛇頭の怪物になっちゃった、って感じで、罪と罰のバランス、合ってないですよね・・

 

そしてこの時は一応、命ばかりは救われたメドゥーサですが、その後、殺されます。間接的にではありますが、アテナに。

 

いやーわたしやっぱり、猪に殺されるほうがましだわ。

その辺のお話しは、また次回!