イタリア・クエスト2016 その4では、イタリア出国の際にやらなきゃいけないお手続き、「免税手続き」についてのドラマをお届けいたします。

 

海外でお買い物すると、その品物をその国では「消費しない」という理由で、消費税に相当する金額の一部が返還されます。

これが、いわゆるタックスリファウンド。イタリアだと15%程度が返ってくるので、高額のお買い物をした時にはかなり大切なお手続き。

でも、この制度が活用されなければ、国としては税収が増えるから、そのためにわざとわかりにくくしているんだ・・とうわさされるほど、ミラノ、マルペンサ空港での手続きの分かりにくさは異常でした。

 

そもそも、お店でお買い物をした時に渡された免税手続きの封筒にね、税関で、スタンプもらってください、って書いてあるのね。
で、税関には長蛇の列。
ずーっと並んだ先、窓口の直前に、小さな看板があって、
NO ITALIAN INVOICE
って書いてある。

まあ、それだけ読んでも普通、意味わかんないんですけど・・しかも、ずーっと並んだ先に書かれてるから、列の最後尾のひとにはそもそも目に入らないんですけど。


どうやら要するに、イタリアで購⼊したもののレシートに関してはここでは取り扱いません、ってことらしい。(そんなことは封筒には一言も書かれていない)
 

私はね、たまたまね、イタリアが仕掛けてくるトラップに慣れているから、スーツケース引きずりながら寄りで見に行って、ネットを駆使してその意味を解読したけど・・


で、じゃあどーせいっつーの、っていうと、その斜向かいにある免税手続き会社の窓口に行け、って意味らしいんだけどそんなことはどこにも書いてない。
詳しいことを聞くにはとにかく一時間列に並んで、窓口にたどり着いて、
「うん、イタリアでの購入品についてはここではないね、残念」
って言われるまでわかんない。

だからいちいち人々は、無意味に列に並び、いちいち撃沈され、いちいち説明を求め、無限に終わらない無駄な時間。

てか、そもそも、書類には税関に行って、って、しかも日本語を含めた各国語で書いてあるから、人々が税関の列に並ぶのはさたりまえ。長蛇の列の先頭まで行かないとよく見えない位置にあるNO ITALIAN INVOICEという謎の文字列から意味を解読しろ、って、どんなムリゲーなの。


もうこの時点でぐったり。

じゃあしょうがないから、って、私の封筒に書いてあった免税手続き会社(TAX FREEとかなんとかというとこ)の窓口に行くと、そこにも張り紙。

「税関に行って、印鑑をもらってきてください」(英語)

ふーむ。
ふーむ。
…で、どういうこと?
 

税関にいけば、ものすごい長考のあと、こっちの窓口に送られ、こっちにくると、また税関に行かされるというドラクエもびっくりのお使いイベント。
すでにMPの残り、4くらいまで削られたぜ。

残りのMP全部を振り絞って、窓口のおねーさんに、
「でも、税関では、イタリアでの購入品については印鑑押せないって書いてあるんだけど」と問いかけると、
おねーさんはニコリともせずに衝撃のセリフ。
あ、これは今日だけたまたま。うちの会社のシステムがダウンしてるから。今日だけ、うちの会社の書類にだけ、税関でスタンプおしてもらえることになってるの。
ま、マジか。
トリッキーすぎる! こんな二重三重にトラップがあると、わたしレベルの勇者でもHPMPが瀕死。

 

ヘロヘロになりながら、相変わらず無意味な長蛇が続く税関の列に並ぶことほぼ40分、経緯を説明して愛想の悪すぎる魔王(税関職員)から印鑑をもらえた私は、むしろ、運がよかった。

ご一緒していた方は、別の免税手続き会社だったため、私とは違う会社の列に並んでいたのですが、90分並んで言われたのが「登場時刻よりも早すぎて手続きできません」だったそうで…言葉もありません。

 

てかさー、税関にしろ会社の窓口にしろ、ここ空港だし、イタリアって観光大国だし、毎日のようにこれやってんだよね?
どういうインフォメーションしたら列が少なくなるか、どうしたらわかりやすいか、って、工夫しようと思わないのかな?
毎回毎回、カタコトの外国人相手に半分キレながら説明してるけど、例えば列の最後尾にひとり、案内の人をつけるだけで事態は激変すると思うんだけど。
お金もらえるんなら私がやってあげようか?ってくらい。
旅行者が現地の事情に疎いのってあたりまえなのに、わざわざわかりにくい説明を押し通すのは、この国の何かのこだわりなのでしょうか。


一応、皆様のお役に立つTIPSとしては、中国の方がたくさんいらっしゃる時間帯、お昼ちょい前は、免税手続きの列が長くなる・・っぽい。午後になると行列がほとんどなくなるらしいので、何としてでもスムーズに免税をしたいという方は午後の出発便にしてみるといい・・かも・・しれません・・

 

本当に美しくて楽しい国なんですけどね、イタリア。トラップがね・・

といいつつお仕事なのにこんな素敵なテラスでディナー。

6月のイタリアは、21時くらいまで明るくて、テンションが上がります。