※日本の大和撫子が海外に通用する「美女」になるための方法を偉そうに語っているシリーズです。ただし「美女」といっても外見的な美しさ特化型ではありませんので、もろもろご了承ください。

 

世の中ではよく、「宗教と政治のはなしはテーブルでするな」と言われます。

 

どちらも非常に個人的な意思がかかわり、また、人の意見を聞き入れにくい話題なので激論になってしまう可能性が高く、お食事時の話題としてはふさわしくないから。

確かに現在も、イスラム教周辺については非常にキナくさいこともあり、そうそう気軽にできるお話しではない場合については注意が必要ですが、しかし。

 

私は、異文化のひとたちと宗教のはなしができる、というのは、一つの文化的な粋の極みだと思います。

日本人が日本にいる限り、あまりピンとこないかもしえないけど、「宗教観」というのは、たとえ熱心な信者でなくても、人の生活にものすごい影響を与えているし、これは当然、国によってさまざま。

そこをベースに文化的なお話ができると、ものすごく興味深い。

宗教は神様、仏様、死後の世界などを、どのくらい信じているかは個人差がありますが、そもそも「神」という日本語を「God」と訳すというのはかなり強引である、というところからして、雑談の話題としてはこれ以上ない、エキサイティングかつ洗練されたモノだと思うのです。

 

そして「美女論」的に言うと、美女の肝の一つは「知的で洗練されていて面白い話題力」。

対日本人の場合は、宗教を持ち出さなくても文学歴史、芸術に映画に音楽、社会論など、話題には事欠かないのですが、対外国人となるとこれがなかなか難しい。

 

例えば、京都の名所の一つである「坂本龍馬のお墓」について外国人に説明するのは、はっきり言って、至難です。そもそも坂本龍馬の説明がとてつもなく難しい。江戸時代と明治維新を知らない外国人に、薩長同盟を促した土佐藩士(しかも浪人)のすごさを説くにはものすごい度胸とお互いの忍耐を必要とするのは想像できますよね(笑)

私自身としては幕末のはなしも戦国ばなしも、もちろん源平合戦から南北朝時代だって、大好物なのですが、これは「日本史を知っている人たち同士のうちわうけ」としてはとても素敵ですが、グローバルにはいけません。ぜんぜんいけない。

 

映画や本、音楽も、流行しているものには地域差が出やすいこともあって、共通の話題で盛り上がるのは結構難しい。

こんな時に頼りになるのが宗教ばなし!

 

そもそも日本の宗教はかなり特殊なので、話すととても盛り上がります。

「神道」という、古代神話に連なる宗教がいまも信じられていて、しかもその神々の子孫たる天皇家が存在するという奇跡の国、日本。

しかも仏教徒の神仏習合により、世界に二つとない宗教観、宗教芸術を持つにいたった日本!

雑談レベルで話すなら、歴史のような予備知識も必要ないし、宗教としてのアウトライン、そして日本で当たり前にやっている宗教由来の習慣(初詣とかお盆とかお墓参りとか家にある仏壇とか)を説明しているだけで、受けます。鉄板です。

 

そして宗教についてを平和に話し合うことは、相手の文化のバックグラウンドを理解するうえでとても重要。私は個人的には今まで、ローマ・カトリック教会の影響下の国々の人々とお話しすることが多かったので、なんとなく「西洋人はカトリック文化圏」と思ってしまっていたのですが、最近、(ギリシア・ロシア)正教会の方とお話をする機会があって、新しい発見にかなりわくわくしています。

 

そもそもヴァンパイア、ということばが、セルビア語で「悪霊」の意味だった、とか。この「悪霊」というのは、死後40日をこえて地上にとどまった魂のなれのはてである、とか。死後毎週土曜日に儀式をしなければならない、とか。

日本の法要(初七日から四十九日とか)に似ている部分もあって、それはそれですごい、とか。

特に難しい話をしているわけでもないのに、十分新しい発見と知的好奇心が味わえるお得な話題だなあ、と、改めて。

 

というわけで「美女的手持ちの話題」の一つとして、「気軽な宗教雑談」を強くお勧めいたします。日本の宗教を簡単に説明するだけの知識と語彙力もあればなおよし。

ただし、気軽で済まない相手もいらっしゃる話題なので、TPOはくれぐれもわきまえて!