前問の解答です。
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Aが変換行列Pによりジョルダン標準形Jに変換されるとします。
すなわち
① P´AP=J (´は逆行列の意)
あるいは同じことですが、
② A=PJP´
です。
②の両辺を2乗すると
③ A^2=P・J^2・P´
さらに条件式の
④ A^2=A
を用いると
P・J^2・P´=A^2=A=PJP´
よって
⑤ J^2=J
ジョルダン標準形Jが⑤を満たすためには対角行列であることが必要で、しかもその対角要素tはいずれもt^2=tを満たします。
すなわちt=0,1です。
よってJはE,O,D,E-Dのいずれかになります。
ここでFを12,21要素が1で他の要素は0となる行列とおくと
⑥ E-D=F´DF
が成り立つので、②,⑥よりAはE,O,Dのいずれかに相似となります。
(逆にその場合に④が成り立つことは簡単な式変形により容易に確かめられます)
以上により、題意は示されました。
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同様に考えて、一般のn次行列でもべき等行列は0,1のみを要素にもつ対角行列と相似になります。
ジョルダン標準形を考えるとわかりやすいですね。