べき等行列の表現 | うろこ雲のブログ

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前問の解答です。

 

   *****

 

Aが変換行列Pによりジョルダン標準形Jに変換されるとします。

 

すなわち

 

① P´AP=J  (´は逆行列の意)

 

あるいは同じことですが、

 

② A=PJP´

 

です。

 

②の両辺を2乗すると

 

③ A^2=P・J^2・P´

 

さらに条件式の

 

④ A^2=A

 

を用いると

 

P・J^2・P´=A^2=A=PJP´

 

よって

 

⑤ J^2=J

 

ジョルダン標準形Jが⑤を満たすためには対角行列であることが必要で、しかもその対角要素tはいずれもt^2=tを満たします。

 

すなわちt=0,1です。

 

よってJはE,O,D,E-Dのいずれかになります。

 

ここでFを12,21要素が1で他の要素は0となる行列とおくと

 

⑥ E-D=F´DF

 

が成り立つので、②,⑥よりAはE,O,Dのいずれかに相似となります。

 

(逆にその場合に④が成り立つことは簡単な式変形により容易に確かめられます)

 

以上により、題意は示されました。

 

   *****

 

 

同様に考えて、一般のn次行列でもべき等行列は0,1のみを要素にもつ対角行列と相似になります。

 

ジョルダン標準形を考えるとわかりやすいですね。