初めてのバス、覚えていますか? | 初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ

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バス釣りド初心者の中年バサーがベイトオンリーで印旛新川に挑みます。

このところ、二桁を超える気温になったり、一方で雪がチラつく日もあったりと、

気候が安定していませんが、もうあと一ヶ月もすれば、本格的に春が到来するのでしょう。

冬が苦手でコタツの中で冬眠状態にあったバサーの皆様も、ようやく待ちわびた季節の到来というところでしょうか。


ビジ夫です。こんにちは。



今年、冬の寒さを釣り専用の防寒具によって克服したはずの僕でしたが、

相変わらず、釣りには行けておりません。


中央排水路などはバスの動きがよくわかるので、冬から春にかけて通いつめれば、

きっと今まで気が付かなかったバスのパターンというものに気がつくことができるだろう、なんて思っていたのですが、

結局は年始の一回以来、後が続いていません。



2月の3連休、その最終日には、何か釣行の報告を書きたいと思っていたのですが、

思いも虚しく書くネタも無く、つらつらと徒然でもやるか、といった昼下がりの僕です。





話は変わりますが、皆さん、初めて釣ったバスのことを覚えていますか?


なんだかノスタルジックなタイトルになってしまいました。





どんなバサーの方に聞いても、初めて釣ったバスというのはやはり印象深いようで、

サイズに関わらず、釣った場所はもちろん、季節や天気、状況、使ったリグ、アタリはどんな感じだったかなど、

実に事細かに覚えている方が多いように感じます。



僕は2010年からバス釣りを始めたライトなアングラーであるわけですが、

初めて釣ったバスは、実は2000年か2001年頃に釣り上げていました。


本来、とても印象深い記憶に残る一本になるはずのその魚ですが、

実は僕は、あまりその時のことが印象に残っているわけではありません。



「なんか釣れたなー」くらいの感想で、正直、感慨らしい感慨も無かった当時の僕です。



2010年に、初めて新川で釣り上げた25cmくらいのバスの方がよほど印象に残っていますし、

バサーとしての僕の本当の意味での初バスは、この2010年の一本だったと今は思っています。



最近ふと、「人生初バス」という単語を見る機会があり、自分にとっての初バスはいつだったか

思い返すことがありましたので、今回はそのことを記事にしてみたいと思います。

…が、そのためには先にどうしても僕の「嫁さん」の話をしなければなりません。




バス釣りを始め、ブログを始めてから、実に色々な方と釣行する機会を得ることができるようになりました。

釣りをしながら、あるいは移動中の車内で、初対面の方と何気なく会話を交わすわけですが、

その中で、圧倒的に多く受ける質問が、コレです。





・師匠は何者か

・嫁さんは何者か



この2つ。



そのたびに僕は苦笑して説明をするわけなのですが、まぁ師匠はミステリアスな存在として置いとくとしても、

嫁さんについては昔から読んでいただいている方ほど、一体何者なんだというのが気になるようです。



確かに、僕にとっては当たり前のいつもの嫁さんですが、

「バス釣りが趣味で夫のタックルや釣行内容に文句を付けてくる妻」というのは、

おそらく世間一般には稀有な例に属するのでしょう。



僕にバス釣りを伝授したのは、嫁さんでした。

というわけで、今回は嫁さんと初バスの話です。




嫁さんと出会ったのは、僕が大学生の頃、

2000年くらいのことだったと記憶しています。


嫁さんは僕よりも2つ年上で、当時OLをやっていた社会人だったのですが、

初めてのデートで、「この近くに美味しいお店があるよ」と、

てっきりイタリアンか何かだと思いながら、着れていかれたところが丼屋さんだったことを、僕は今でもハッキリと覚えています。



そんな嫁さんでしたので、性格にやや男勝りなところがあることを当初から気がついていました。


ファッションや音楽の話にはあまり乗り気じゃなさそうに、つまらなそうに聞いているのですが、

たまたま振った野球の話には目をランランとさせて喰いついてくる嫁さんです。


どうやら、そんな嫁さんの性格形成には、「お兄さん」の存在が多分に影響しているようだと、

結婚してから気が付きました。




嫁さんは3人兄妹で、兄、姉、末っ子の嫁、という家族構成なのですが、

末っ子の嫁が一番仲が良かったのは、お姉さんではなくお兄さんだったようです。


年は10ほども離れていますが、お兄さんは末っ子の嫁を可愛がり、嫁もそんなお兄さんにいつも付いて回っていたそうです。



そして当時のお兄さんには、没頭し、青春の全てを捧げたような趣味がありました。



そう。





それがバス釣りでした。




社交的な性格だった子供の頃の嫁は、友達を引き連れてお兄さんと遊んでもらっていたそうですが、

やがてその集団がゾロゾロとタックルを手に野池に通うようになるのは時間の問題だったことでしょう。


バス釣りは嫁さんの友達仲間でちょっとしたブームになり、嫁さんもすぐその魅力に取り憑かれたそうです。

何しろ仲間達の師匠が自分の大好きなお兄さんなのですから、鼻も高々、自身も兄に恥をかかせることのないように精進したことでしょう。



そうして、たくさんのバス釣り仲間に囲まれて育った嫁さんだったのですが、

いつしか高校生になり、専門学校を出て、社会人になる頃には、

昔のように仲間と連れ立ってバス釣りに興じることは無くなってしまいました。




そんな頃に、嫁さんは後に夫となる男性と出会います。


その彼氏に対して、付き合い当初は、嫁さんも我慢したようです。


「趣味は読書と映画鑑賞とビリヤード」と言う、インドア系の大学生彼氏に、

「バス釣りやろうぜ!」と言って、引かれることは避けたかったようです。



しかし、そんな我慢も長くは続きませんでした。



季節は、秋。

10月頃だったでしょうか。



素人に釣らせるには一番いい時期だという、秋です。




嫁さんはついに彼氏にカミングアウトします。





「アタシ趣味バス釣りなんだよね」



予想通り、若干引く彼氏。



どこの男の影響だよ!と良い顔をしない彼氏に対して、いや、違うんだ、と。

お兄さんがバス釣り好きで、自分もやるようになったんだ、と。

とにかく、一回やってみよう、今ならきっと釣れるし、面白いから、と。



なんだか必死に言い訳をしながら、とにかくも一緒に釣行に出かける約束を取り付けた嫁さんだったのでした。




さぁ、そうなれば嫁さんとしては手を抜く訳にはいきません。


来るべき釣行において、万一でも彼氏を凹らせでもしてしまった日には、

なんだ、時間を無駄にした、と、こんなことなら家でDVDの一本でも観ていれば良かったと、

そんなことを言われることが目に見えています。



いや、一匹や二匹でも同じ事でしょう、

なんだ、一日やって一匹や二匹じゃ、堤防でサビキ釣りでもやっていた方がよほど釣れるじゃないかと、

そんな文句を言われることが火を見るよりも明らかです。




悩んだ挙句、嫁さんは「サイズより数」を重視した釣行にしようと決めたそうです。

サイズが狙えるフィールドよりも、とにかく数が出るフィールド。


そして当然、釣りといえば堤防でサビキ釣り程度しか経験の無い彼氏のために、

扱いやすい柔らか目のロッドとスピニングリール、

多少強引なやり取りでもキャッチできるように太めのラインと、

ピンの釣りでは飽きてしまうだろうと、ジグヘッドに4インチグラブの巻きのリグと、

初心者に対して至れり尽くせりのプランを一生懸命考えたようです。



その頃、当の彼氏は、

ブラックバスって餌は何を使うんだろう、ミミズとか触らないといけないんだろうか、

なんてことを考えておりました。




当日。


嫁さんは朝早く彼氏のアパートへ出向いて、眠気まなこの彼氏を叩き起こし、車に押し込みます。


「茨城まで行くから」という嫁さんに、茨城!?そんな遠くまで行かないと釣れないの!?と

不平を漏らす彼氏。


とにかく確実に釣るためだ、と。

バスを一本上げるためには、そのくらいの労力は仕方のないものなのだ、と、

車中で訥々と彼氏に説明を続けますが、彼氏には一向に響きません。



そのくらいの移動を伴うなら、もっとご飯の美味しいところに観光がてら行っても良かった、

とブツクサ言い続ける彼氏に適当に相槌を打ちながら、目的の野池に向かいます。



2時間ほど移動を続け、やがてそこに到着しました。


先行者は2~3人いたようですが、後から聞いたところでは、普段よりもかなり少なく幸運だったようです。


久しぶりの釣行にテンションがMAXの嫁さんに対して、朝早くからご苦労様でございますね、といった程度に斜に構えた彼氏。


そんなことはお構いなしに、嫁さんは彼氏にタックルを押し付けます。


「これ結構いいロッドだから!」


鼻の穴を大きくして、得意げな嫁さんに対して、知らんがな、と面倒くさそうな彼氏。


とにかくも、岸に降り立つことにします。



見ると、二人が陣取れそうな開けた岸には既に人が立っています。


どうすんだ、と面倒顔の彼氏。




「ふっふっふ、大丈夫。よく釣れるポイントがあるから」


そんなもんどこでやろうが一緒だろう、と相変わらず皮肉を言う彼氏を放って、草むらにガサガサと突入していく嫁さん。


えぇ!?草むら入ってくの!?ちょっと今日の服汚したくないやつなんだけど…。

慎重に草をかきわけながら、ゆっくりと彼氏が後を追いかけます。



着いた場所は、水門。

おそらく、田畑に水を流し込むために人工的に整備された水門でしょう。


さっそく水門横に陣取って、せっせとリグり始める嫁さん。

ちょっと、蚊がいっぱい飛んでますけど…、と不平を言いつつ、嫁さんにならって不器用に見よう見まねでワームを付けてみる彼氏。


糸の結び方がなってないだの、ワームがちょっと曲がってるだのと、ひとしきり彼氏にダメ出しをして、嫁さんがキャストの見本を見せます。


ベールを開けて、ラインを指にひっかけて…。




ヒュッ!





…ポチャ。






おおー。




「投げたらすぐ糸フケとってね!」




わーったよ。



…こうでしょ?





ヒュッ。



…ポチャ。




おら、どうだ、見たか!





「すぐ糸フケとって!」





え?






ガツッ。






…なんか引っ掛かっちゃったよ。







「だから言ったでしょうが、針がむき出しなんだから、すぐ巻きはじめないとダメなんだって」




…知らないよ、そんなん最初に言ってよ。





相変わらず不満しか言わない彼氏です。



こりゃジグヘッドじゃだめだ、そう感じた嫁さんは、オフセットフックにノーシンカーを勧めることに。


四苦八苦する彼氏に何とかワームの付け方を教え、「ゆっくり巻かないと浮いてきちゃうからね」と伝えて、

自分は久しぶりの釣りに没頭することにします。



水門のキワに沿って巻いていくと、



「バシャッ」


「バシャアッ」




嫁さんの知る限り、一番数が釣れるフィールドの、さらに一番のポイント。

サイズは小さいものの、立て続けにバスが釣れます。


後ろから彼氏が、ワームの中に塩が入ってるぞとか、針先を埋めちゃったら魚にかかるわけがないだろうとか言ってますが、全部無視です。


弱めのスピニングタックルで、バスの引きを存分に楽しみます。



満喫し、後ろを眺めやると、ブツクサ言いながらもようやく彼氏が釣りを始めたようです。


ぎこちない動きでワームをキャスト。

モタモタとベールを戻して、ゆっくり巻いています。



するとすぐに弓状にしなるロッド!




「きた!きてる、それ!」


えっ、えっ、



「巻いて!巻いて!」



えっ、えっ、




「巻きすぎ!上げて上げて!」







バシャアッ!





持ち上げたロッドの糸の先にぶら下がる、小さなブラックバス。





「ほら釣れた!釣れたじゃーん、ほら、ね!?凄いよ、初めてなのに!」


嫁さんからしてみれば、ここが分岐点です。

ここでバス釣りが楽しいと思わせ、とにかく興味を引かせなければ、この面倒くさがり男をバス釣り道に引きずり込むことはできません。



「ね、サイズの割に結構引いたでしょ?ルアーだから動かさないと釣れないし、エサ釣りとちょっと違うでしょ!」


彼氏を褒めること、バス釣りの魅力を語ること、これらを同時にやります。



しかし彼氏からしてみれば、先程から自分がバカスカ釣っているくせに、

たかだか一匹釣り上げた程度で持ち上げてくる嫁さんが胡散臭くてたまりません。




「ね、最初から釣るって結構凄いんだよ!アタシも最初は全然釣れなかったし、才能あるかもよ!」



…いや、別に何もしてないよ。ただ投げて巻いただけだし。

つーかこれどうやって針外すの?なんかヌルヌルして臭いし…、触りたくないんだけど。




嫁さんの、おだて戦法は失敗しました。

持ち上げて、褒めれば褒めるほど、あるいはバス釣りの魅力を語れば語るほど、

天邪鬼な彼氏は、意固地にそれを認めまいと、ますます斜に構えてしまったのでした。




結局、その日は嫁さんもその彼氏も、二桁以上の釣果があったはずです。


しかし、それによって彼氏がバス釣りの魅力に気がつくことはなく、

本格的に目覚めるまでには、実に10年近くの月日が必要になってしまったのでした。



思うに、嫁さんはもう少し彼氏の性格を分析したうえで臨むべきでした。

初心者でも簡単に釣れるように…、とは、今考えても仕方のない判断だったとは思いますが、

むしろボウズだったほうが、「一匹釣るまではやめるわけにはいかん!」と、

彼氏の方から、次を誘ってくるようになったかもしれません。



自分は苦労して一匹、彼氏は為す術もなくボウズ、と、このくらいの難易度であればベストだったでしょう。




その後、結局嫁さんは彼氏をバス釣りに引きこむことは諦め、結婚、出産を機にタックルもほとんど処分してしまいました。


子供も3人産まれ、私生活において自分の自由がほとんど無くなり、自身もようやくバス釣りに対する熱が治まってきた頃に、

10年前には全く興味を示さなかった旦那が、急に熱中するようになったというのは何という運命の皮肉でしょうか。




書いてみて気が付きましたが、自分がこういった境遇を辿っているにもかかわらず、

週末になれば、やれ房総だ、やれフローターだと旦那がのたまっていれば、

文句の一つでも言いたくなる気分がよくわかります。


しかし、2001年のあの日、僕がバス釣りにハマってしまっていたとしたら、今どうなっていたんだろう?

子供も放り出して毎週末を二人で釣行に出かけるような夫婦になっていたんだろうか。



それはそれでちょっと困った話になってしまいますので、

やはり、申し訳ありませんが嫁さんにはちょっと我慢してもらって、

僕がその申し訳なさを感じながら釣行に出かけるくらいの関係でちょうどいいと考えたい。


子供がもう少しだけ大きくなれば、一家揃って釣りに出かけることもたくさんできるようになるだろう。




しかし、いくら釣りに対して理解があるとはいえ、あんまり度を越すようだと見放されてしまうかもしれないなぁ。


やはり年に一回くらいは、実家に子供を預けて嫁さんに恩返しをしなければなるまい。




最初に釣ったバスの話を書くつもりが、いつの間にか嫁さんの話になってしまいました。


ところで僕と同じように、家庭を持ったバサーの方々、たくさんいると思いますが、

いざ釣行となれば丸一日家を空けなければならないわけで、どうやって家族の理解を得ているのでしょうかね。


後学のためにぜひお聞きしてみたいものです。




ちょっとノスタルジックな、嫁さんと僕の初バスのお話でした。