どんな商品であれ品質に差があるように、人間にも組織人(社員)としての質があるのです。組織人としての質が高い社員ほど、その組織にとって有能であり、間違いなく組織に貢献した人であります。

 

業種が何であれ、仕事内容がどんなものであれ、組織人として持ってもらわなければならない考え方・心構えはあります。

 

そして、その考え方・心構えにもレベル・水準があるのです。ですから、人材教育とは組織人としての考え方・心構えのレベルを上げることであり、「知っている・分かっている」の人ではなく、高いレベルでそれが浸透している、即ち高品質の社員づくりだと認識すべきであります。そして高品質の社員が多い組織ほど、あるいはそのような社員が増えるに比例して、組織は確実に成長発展していくわけです。

 

人間は環境に左右されます。

 

従って高品質の社員が多い組織では、おのずと質の高い社員が育っていくのです。反対に質の悪い社員の中では、平均的な人でも次第に平均以下の人になり、それでもいいのだと思い、結果、粒ぞろいの質の悪い社員が生まれるのです。

 

人は年齢に応じ、立場に応じ成長しなければなりませんが、人間の成長とは考え方の成長であるはずです。しかも組織の一員として、チームメンバーとして仕事をする時に、最も大きく成長できるチャンスなのです。

 

いろんな人との関わりの中で、組織目標や部門目標を達成していかなければならない訳ですから、何よりもチームワークが求められます。自分勝手な行動では、たとえ自分は一生懸命やっていると思っても、組織としての生産性は上がりません。

 

十分なコミュニケーション、報告、連絡など言葉を通じ、文章を使って意思の疎通が出来なければならない訳ですが、そうなると当然社員としてだけでなく、人間として認め合い、信頼し合えるようなものを持っている人であるかどうかが大きく左右するのです。

 

従って人間としても、組織人としても自己の成長変化を必要と認め、その事のために自己啓発をすることは当たり前と思い、自己投資で勉強する人でなければなりません。仕事に必要な知識や技術はもちろん、人間としての考え方を学び、自分を磨くことを重視する人たちが多ければ、確実に質の高い組織になっていきます。

 

自己投資で学ぶことが当たり前ですが、会社のお金でそういうチャンスを与えられたにも関わらず、そのような機会を「自分のためだ」と受け止め、積極的に活用しない人もいますが、こんな社員が組織に役立つことはありません。

 

会社が必要だと認め、これからを期待する人に対してチャンスを与えようとしているのに、それを素直に受け止めきれないのは、組織に役立つ人間になりたい、貢献できる社員になりたいという気がないのか、何ごとに対しても向上心がないかのどちらかであり、こんな社員をほっとくようではその組織の成長はないのです。

 

もし自己向上のために学ぶということが、組織の社風になっていれば、このようなことは起こり得ませんし、そんな社員は組織からカットされているはずです。

 

会社の方針、社長の意思に即、積極的・肯定的に反応する社風をつくるべきです。組織人として当然持たなければならない考え方は、教育によってでしか根付きません。

 

強い組織とは、トップの意見や経営方針を目標・ビジョンとして完全な意思統一がなされ、そのために果たすべき役割やルールを、絶対的なものとして定着させなければなりません。

 

組織人としての思考や行動が、個人の自由よりも優先するのは当たり前だという考え方が、お仕着せではなく、自然な考え方、即ち心構えとして定着しているような組織でなくてはならないのです。

 

しかしこれは、単なる強権を発動し、絶対服従を教育することでは決して根付くものではありません。成熟した大人として、優秀な組織人としての、バランスのとれた人間性豊かな心構えがトータルに教育されない限り、決して強い個人、強い組織にはならないのです。