あなたの考える、“医療”とは? | 歯科医院が最短距離でマネジメントを仕組化するブログ

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歯科医院のマネジメントをサポートしている渥美が、コンサルティングの現場や日常を通じて感じたことなどを記するブログ。

先月、某医院でのスタッフ面談にて。

 

スタッフの皆さん一人一人に、

「●●さんが考える“医療”ってなに?」と尋ねてみました。

 

もちろん、歯科医院が医療機関であることは、

働くスタッフに とって当たり前過ぎる事実でしょう。

 

 

 

にもかかわらず、この質問に対して

スタッフの3割が返答に詰まり固まってしまったのです。

 

※後でその理由を確認したところ、

 ・当たり前すぎて敢えて考える機会が無かった、

 ・私が用意した正解を先読みしようと考え過ぎ言葉に詰まった、

 とのことでした。

 

また、回答したスタッフに多かったのが、

「治療をすること」とか、「病気の人を治す場所」など。

 

確かに、「医療=治療する、治す」というのは

世間的に考えても一番イメージが湧き易いですよね。

 

 

さて、この質問。

実は明確な答えがある訳ではありません。

 

その人の考えや立場で様々な答えがあってしかるべきだし、

私の方から何が正解だと言うつもりもありません。

 

しかし、質問に答えられない、

またはスタッフ個々の解釈がバラバラだったなら・・・

 

それはそれで問題だと思うのです。

 

 

よく考えてみて欲しいのですが、例えばあなたが私に、

 

「コンサルタントってなんですか?」

 

と質問し、 私が即答できなかったり、

 

「え?まぁ、ご想像にお任せします・・・」

 

などと言葉を濁した返事をしたら、、、 どう感じるでしょうか?

おそらく、

 

「自分の職業も即答できないのってどうよ?」

「コイツ、大丈夫か?」

 

と違和感や不安を覚えるのではないでしょうか。

 

 

また、仮に私が、

「経営の指導をする人です」と答えたとしたらどうでしょう。

 

辞書の意味としては正解かも知れませんが、

信頼が増すどころか、コンサルタントとしての底浅さを

感じる方も多いのではないでしょうか?

 

 

つまり、自分の職業で当たり前に使われている言葉の

定義を質問された時に、何と答えるか?

 

その言葉をどう意味づけているか?

 

それが、そのまま、

 

“あなたの仕事に対する思慮深さの度合い”

 

として判断されてしまうのです。

 

 

冒頭の医院に話を戻しますと、最後に面談した

ベテラン衛生士さんだけ、他のスタッフと回答が

少し違っていました。

 

 

今年60歳となる彼女は、同じ質問に躊躇することなく、

 

「患者さんの病に寄り添うこと」

 

と言い切ったのです。

 

その言葉の力強さに、私は思わず

「お~っ!素晴らしい!」と返してしまいました。

 

 

 

医療を、 「患者の病気を治す場所」 と定義する医院と、

「患者の病に寄り添う場所」 と定義する医院。

 

もし、私が大病を患って入院場所を探すなら、

迷わず後者を選ぶでしょう。

 

なぜなら、 「病院を治す場所」と考え働くドクターやスタッフと、

「病に寄り添う場所」と考え働くドクターやスタッフでは、

 

患者さんへの接し方や、治療計画の立て方、 受けられる治療法が

違うのではないか? (後者の方が自分を大切に扱ってくれそうだ)

と想像できるからです。

 

 

正直なところ、歯科医院で働くスタッフに、

「医療とは?」のような本質的な問いに即答できる方は

極めて稀なのかもしれません。

 

もしかすると、院長であっても急に質問されると、

言葉に詰まる方も多いと思います。

 

 

最初はそれで仕方ない、それでいいと 私は考えます。

 

 

しかし、このような正解のない(本質的な)テーマこそ、

常に頭に置き、考え続ける。

 

それこそが、情報過多で"正解”がコロコロ変わる時代を

生き抜く上で最も大事な能力ではないか、と私は考えます。

 

 

ちなみに、私が考える“コンサルタント”とは、

 

【思いを汲み取り、気づきと行動を促し、結果に導く人】

 

です。

 

当然、これも今そう考えているだけで、

今後、更に考え抜いた末に変わる可能性はありますが。

 

 

あなたの医院が考える“医療”とは、どのようなもの(定義)でしょうか?

 

ぜひ一度、医院で話し合ってみてはいかがでしょうか。