え、何で知らないの・・・? | 歯科医院が最短距離でマネジメントを仕組化するブログ

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歯科医院のマネジメントをサポートしている渥美が、コンサルティングの現場や日常を通じて感じたことなどを記するブログ。

ある出張先での出来事。

宿泊先のフロントでチェックインの
手続きをしたところ、フロントマンから

「1000円追加いただくことで、より快適な
 部屋にアップグレードできますがいかがですか?」

という提案を受けました。

快適に過ごせるならいいかなぁと思いつつ、
追加のお金が必要なのでどんな違いがあるのか
知りたいと思い、

「どんな違いがあるのですか?」

と尋ねてみました。
すると、「ベッドがシモンズ製です」との回答。

皆さんは、シモンズをご存知でしょうか。

有名なメーカーなのでしょうけど、しかし私は
インテリアに疎く、そのメーカーがどんな特徴が
あるのか分かりませんでした。

そこで、
「シモンズ製のベッドってどんな点が良いのですか?」

と続けて確認しました。
当然、明快な回答が得られると期待して・・・


しかし、フロントマンの彼は急に口ごもってしまい、

「いや、、、とにかくシモンズ製なんです」

と繰り返すだけ。


「ですから、通常のベッドとどう違うのですか?」

と再度尋ねたのですが、そのまま沈黙となり、
何やら気まずい空気に。。。


すると、それを見かねた隣のフロントマンが私に、


「お客様、シモンズ製のベッドはマットに無数の
 コイルスプリングを使用しており、寝た時の身体に
 フィットするんですよ」

と説明してくれました。

なるほど、、、

しかし、ベッドって、コイルスプリングが普通である
と理解している私には、イマイチ違いが分かりません。


「通常のベッドもコイルスプリングじゃないんでしょうか?
 それとはどう違うのでしょう?」

と確認してみました。


すると、先ほどのフロントマンと同様、
彼も答えに窮してしまう始末。。。


まるで私が場違いな質問をしてしまったかのような
雰囲気になってしまいました。


その後、少し間を置いて

「他にも、お部屋に加湿器が設置しています・・・」と、
申し訳無さそうな声で、全く別の特徴を説明。


シモンズはどうなったのか?


そんな疑問は晴れるどころか、あれこれ聞いて
変更しないのも申し訳ないかと、結局アップグレードを
選択。


が、乗り込んだエレベーターの中で

「なんでこっち(お客)が気まずい思いを
 しなきゃならないんだ」

と釈然としないまま、部屋に向かったのでした。



ホテルのフロントマンに限らず、
提供者が当たり前のように勧めていることが、
どうして良いことなのか?当事者が分かっていないこと、
案外多いです。


私のクライアント先の歯科医院も、例外ではありません。


例えば、治療を終えた患者さんへ

「再びむし歯にならないよう、4ヶ月後に
 定期健診に来てくださいね」

と声掛けする。

歯科従事者であればごく自然な行為でしょう。

もちろん治療を終えたばかりの患者さんは
「むし歯で痛い思いをしたくない」との思いがあり、
定期健診の“意味”は理解できるかもしれません。


しかし、なぜ4ヶ月毎なのか?その理由が理解できている
患者さんは少ないのではないでしょうか。


なぜ1ヶ月でも6ヶ月でもなく、4ヶ月なのか。

定期健診を勧めたスタッフは、その理由を明確に
答えられるでしょうか?


もしこの質問に口ごもってしまうようなら、私が経験した
フロントマンと同様、きっとその自信の無さが患者さんにも
伝わっているかもしれません。


 「なぜ、それをする必要があるのか?」

相手に行動を促す上で、その理由が明確に
伝えられることは必要不可欠ではないでしょうか。


そして、この「なぜ?」がスタッフ間で共有できている
医院では、患者さんからの信頼を勝ち取るのはもちろん、

「患者さんからの質問に答えられた」
という成功体験の積み重ねが、仕事への意識を自然と
高めていく効果にもなっています。


「もっと仕事に前向きになれよ」

と口酸っぱく言うのは簡単ですが、このような場面をいかに
作ってあげられるかも、院長やリーダーの役目ではないでしょうか。



ちなみに、私はまだ前述のホテルに泊まり続けていますが、
未だに「シモンズ」と、他のベットの明確な違いが分かっていません・・・