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愛おしいHちゃん。

数年前、うちのスクールを卒業した
Hちゃんは控えめな性格で穏やかで
優しい子だった。

少し不器用なところがあり
英語学習に関しても理解するのに時間が

かかる子だったような気がする。


でも、
小学5年から中学3年まで
うちのスクールに在籍してくれて
一生懸命な姿が印象的だった。

私はそんな彼女が大好きだった。


無事に志望校に合格し、
最後のレッスンの日がやってきた。

私は彼女に問いかけた。
ずっと彼女に対して思っていたこと。

「他人と自分を比べてない?」

その直後、彼女は滝のような涙を流し
泣きじゃくった。

「人と比べて何の意味がある?
あなたは世界で唯一無二の存在。
比べることは無意味。みんな違うから。
必ずあなたにはあなただけの魅力が
ある。それを誰も奪うことは出来ないし
傷つけることも出来ない。
あなたは特別だから生まれてきた。
そうじゃなきゃ生まれてこれない。」

私が話を続けると、彼女もずっと泣き続けていた。

私は最後に畳み掛けるように話した。

他人と自分をくらべないで。
いい?ずーと私が言ったことをわすれないでね。
ずっーとだよ。分かった?

彼女は私に深く頭を下げて
教室から出て行った。

そのままのありのままの自分を認め
愛して欲しい。
ずっと彼女は私の心の中にいる。

「私たちに課せらた唯一の義務は、

自分を生きることです」by 加藤諦三先生