皆さん、こんにちは。
本日は、営業戦略の“隠れた決め手”について掘り下げてみます。

 

宮下建治著『営業戦略大全』(ダイヤモンド社)によると、

顧客の感情面に対する理解こそが、営業の成功確率を高め、

長期的な関係構築につながるとされています。

 

これはまさに、社会心理学や行動経済学の理論に通じるものです。

今回は、営業に応用できる代表的な6つの心理学理論をご紹介し、

それが商談や顧客関係にどのように活かせるかを整理します。

 

🧠営業に活かせる6つの心理理論

① ザイオンスの法則:「接触頻度」が信頼の鍵

「単純接触効果(the mere exposure effect)」とも呼ばれています。

個人は、何か(商品やブランド、人など)に繰り返し接触すればするほど、

その何かに対して好意的な感情を抱く傾向がある、という心理学の原理です。

 

商売における「ザイオンス効果」の目的と意義は、営業が顧客と繰り返し

接触することにより、顧客はその会社、営業パーソンや製品に対して親しみや

信頼感を持ちやすくなり、長期的なビジネス関係の構築へとつながることです。

 

② 返報性理論:「与える」ことで信頼貯金を貯める

「返報性理論」とは、人は他社から受けた恩恵に対して、何らかの形で

恩返しをしようとする心理的傾向を指す、社会心理学における理論です。

 

返報性理論の商売における意義は、単に商取引を行うだけでなく、

顧客との長期的な関係性を築くことにあります。

 

受けた恩恵やサービスに対して、顧客やキーパーソンに、

何らかの形で返したいと感じていただく。そうすることで、

ロイヤリティや信頼感を高め、リピート購入や紹介、

良好なビジネス関係構築に繋がる可能性があるということです。

社内の協力獲得にも効果的です。

 

但し、注意点としては、顧客のために尽くす態度こそが大切で、

自己顕示や見返りを期待してはいけないということです。

誰かのために良かれと思って行ったことが、気づかないうちにいいことに繋がる。

そうした意識が重要です。「Give & Take」ではなく、

「Give & Give」の心構えが大切ではないかと思います。

 

③ 権威の影響力:「専門家の後押し」で安心を提供

人物が持つ権威、専門知識、地位などの力によって、人の態度や行動に影響が及ぶ

という理論です。

顧客は、特に新しい商品の導入やプロジェクトを行う際、

当然、リスクを抑えたい気持ちが出てきます。

 

そこで、専門的知見を持つ人物や情報源から情報やアドバイスを得るのです。

そうすることで、顧客はより安心して導入の決定を下すことができます。

 

また、市場・消費者リサーチ担当者、財務担当者などが、

営業の要請に応じて商談に同行し、専門的知識を活かして顧客に影響力を

与えることも有用な方法です。

 

④.「エンダウメント効果」:所有の意識を高めよ

人は所有するものに対して、過剰に価値を感じる傾向を示すという心理的現象です。

すでに所有している物品を手放す際、それを得るために支払うよりも多くの価値を

要求する傾向があります。

所有するものを手放すことは好ましくないと考える傾向があるということです。

 

したがって、営業としては、顧客に「所有」を感じてもらえるような取り組みが

有効となります。

例えば、共同の売り場開発プロジェクトを立ち上げたり、

プロモーション品開発のカスタマイズを提案する際、顧客と協同企画を行ったり、

何かを意思決定する際のプロセスに参加してもらったりします。

そうすることで、商品やプロジェクトに対する「所有」意識が高まるのです。

こうなると、成功に向け、より積極的に貢献をしてもらえるという利点があります。

 

⑤.「希少性バイアス」:“お宅だけ”をいかに提供できるか

人は、入手困難なものや数が限定されているものに高い価値を感じるという

心理的傾向が「希少性バイアス」です。

 

営業における希少性バイアスの意義は、「お宅だけですよ」というものを

いかに提供できるかです。

 

例えば、希少価値の高い商品やプロモーションを開発する。季節限定品で

数量限定のものを持っていく。そうすることで、顧客の購買意欲を刺激します。

 

また、希少性のある専門部署のリソースを、協働プロジェクトに提供することも

有効です。

 

これによって顧客の協働意欲を刺激し、商談成立の可能性を高める支援を

することにもつながります。

 

⑥.「認知的不協和」:相手が感じるリスクをいかに軽減するか

個人の中に、矛盾する信念や行動が存在する状態を指します。

「認知的不協和」はこの不快な状況から、一貫性を取り戻すため、

態度や信念を変えようとする傾向のことです。

 

例えば、顧客は「高品質な商品を仕入れたい」という信念と

「コストを抑えたい」という目標の間で葛藤することがあります。

「新しい商品ラインを導入して品揃えを刷新したい」という願望と、

「失敗のリスクを避けたい」という慎重さの間で不協和が生じることもあります。

「高く売りたい」とい気持ちと、高くしたら売れないのではないか」という

不安もあります。

 

そこで、顧客が既存の商品、売り方、取引先などに満足していないとき、

「リスクを取りたくない」という点に関連づけて、分析データを提供したり、

テスト結果に基づいて新しい商品や売り方への興味・関心を刺激することが

有効になります。

 

📝まとめ:営業は“人間理解”から始まる

営業とは、商品を売る前に「人間を理解する」こと。

顧客心理へのアプローチは、単なるテクニックではなく、

相手に寄り添う姿勢そのものです。

 

社会心理学を知ることで、営業の“見えない壁”がひとつずつ外れ、

顧客との関係が深まります。

 

小手先ではなく、原理原則から営業を磨きたい方にこそ、今回の6つの理論をおすすめします。

 

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