「社員を大切にしたい。でも、業績や利益を後回しにしたら会社が潰れてしまうのではないか?」

 

「社員の自主性を重んじると、ただの『甘やかし』になってしまうのではないか?」

 

日々、経営者の方々と対話を重ねる中で、このような葛藤の声をよく耳にします。優しく、責任感の強い社長様ほど、「社員の幸せ」と「会社の利益」のバランスに悩み、孤独な戦いを強いられています。

 

本日は、そんな悩める経営者の皆様にぜひ知っていただきたい、「人を大切にする経営」の最高峰とも言える企業の事例をご紹介します。

 

高知県にある自動車ディーラー、「ネッツトヨタ南国」様です。

 

ネッツトヨタ南国 公式ホームページ

 

同社は、トヨタの販売店として「お客様満足度 日本一」を13回達成し、トヨタ販売店総合表彰を15年連続で受賞するという、驚異的な実績を誇っています。

 

しかし、彼らが最優先しているのは「売上」でも「車を売ること」でもありません。

 

経営の目的は「利益」ではなく「全社員の幸せ」

ネッツトヨタ南国様の採用ページには、次のような明確なメッセージが掲げられています。

「私たちの会社経営の目的は利益ではありません。社員が成長し、幸せに生きるための手段です。『人が育つことで会社が成長する』原理原則を経営の中心に、一人ひとりが自分の人生を豊かにしていく会社を創り続けています」 

netz-recruit – 高知で生きる力を育む

 

また、経営理念の中では、「全社員が人生の勝利者となるために」という力強い言葉が掲げられています 。

経営の目的を「社員の幸せ」と言い切り、利益はそのための手段であると位置づける。このブレない姿勢こそが、同社の圧倒的な強さの源泉です。

 

「甘やかす」のではなく「当事者意識」を拡張する人財育成

「社員の幸せを追求する」と聞くと、つい「叱らない、ノルマのない緩い職場」を想像してしまうかもしれません。しかし、ネッツトヨタ南国様の採用・育成は、単なる「甘やかし」とは対極にあります 。

 

例えば同社の人財育成において非常に象徴的なのが、「100kmを歩く旅」という新入社員向けのユニークな研修です 。

 

これは単なる歩行訓練ではなく、新入社員と子どもたちが5泊6日で共に100kmを歩き抜き、「生きる力」と「人間力」を育む本気の修行の場です 。

 

この過酷とも言える取り組みの背景にある狙いは、「自分以外の存在に思いを馳せる当事者意識の拡張」だと言います 。

 

最初は自分のことで精一杯でも、困難を乗り越える中で、意識が「個人」から「仲間」、そして「地域」や「社会」へと広がっていく 。さらに、時には「今の状況がなぜ良くないのか」を問いかけ、本質について正面から議論することも避けないそうです 。

 

以前のブログで「アドラー心理学の目的論」について触れましたが、まさに同社のアプローチはこれに重なります。原因を追究して社員を叱りつける(原因論)のではなく、自ら考えさせ、社会との関わりの中で「人の役に立つ喜び(目的)」に気づかせる。これこそが、社員を真の意味で対等なパートナーとして扱う「厳しくも温かい人財育成」なのです。

 

車を売るのではなく「地域の幸福」をデザインする活動

このようにして「当事者意識」と「自主性」を育まれた社員たちは、上司から指示されずとも、自分たちの頭で考え(考える)、意見を交わし(発言する)、実行(行動する)し、振り返り(省察する)のサイクルを回し始めます 。

同社の「私たちの活動」のページを見ると、それが単なる自動車販売の枠を大きく超えていることに驚かされます。

  • 高知の生産者を応援する「コウチ生産者通信」

  • お客様と一緒に自然の中で遊ぶ「カーオリエンテーリング」

  • よさこい祭りへの参加や、四国自動車博物館の運営 

 

私たちの活動 | ネッツトヨタ南国株式会社

 

これらはすべて、「自動車にまつわる領域に限らず、お客様や地域の幸福を増進するためのあらゆる問題解決を提供していく」というビジョンに基づき、社員が主体となって生み出している活動です 。

 

社員自身が「どうすればお客様や地域が喜ぶか」を考え抜き、ワクワクしながら実行する。その結果として、お客様からの圧倒的な信頼(顧客満足度日本一)を獲得し、業績という「利益(手段)」が後から自然とついてくるのです 。

 

「人を大切にする経営」は最強の経営戦略である

ネッツトヨタ南国様の事例から私たちが学べるのは、「人を大切にする経営とは、決して綺麗事ではなく、極めて理にかなった最強の経営戦略である」ということです。

 

社員の主体性を信じ、人間としての器を大きくする教育に投資する 。

 

そうすることで、社員は自律的に動き出し、顧客に最高の価値を提供し、結果として会社に確固たる利益をもたらします。

 

もし今、皆様が「社員のために何かしてあげたいけれど、業績への不安から一歩踏み出せない」と悩まれているのであれば、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

 

製薬企業で15年間培った「人財育成・組織開発(ソフト)」の知見と、中小企業診断士としての「戦略・財務(ハード)」のノウハウを掛け合わせ、社長様の「優しい想い」を、持続可能な利益と社員の幸せへと繋げる仕組みづくりを伴走支援いたします。

 

利益は、社員を幸せにするための最大の武器です。

 

「人が育ち、業績も上がる」――そんな優しくて強い会社を、一緒に創っていきませんか?

 

尾﨑中小企業診断士事務所 | 人を大切にする会社を確かな「成長」へ