宇宙6
2020.03.12
今日はこの本についての紹介です。
「ホーキング、宇宙と人間を語る」
“THE GRAND DESIGN”
スティーヴン・ホーキング、レナード・ムロディナウ著
佐藤勝彦訳
エクスナレッジ発行、2011年1月5日初版発行
<目次>
〇この宇宙はなぜあるのか?-存在の神秘
〇自然法則はいかに創られたか?-法則の決まり
〇実在とは何か?-モデル依存実在論
〇すべては無数の歴史の足し上げで決まるのか?-量子論の描く世界
〇万物の理論はあるのか?-無数の宇宙を予言するM理論
〇この宇宙はどのように選ばれたのか?-相対論と量子論の描く宇宙像
〇私たちは選ばれた存在なのか?-見かけ上の奇跡
〇グランドデザインー宇宙の偉大な設計図
<訳者あとがき:抜粋>
ホーキングは言うまでもなく「ブラックホールの蒸発理論」や宇宙創生の理論「無境界仮説」を提唱するなど、相対性理論と量子論が深く関わる理論をリードしている研究者である。
本書は2010年9月に欧米で出版され、たちまちベストセラーとなった。
日本の新聞にも、ホーキングが「宇宙は神によって創られたのではなく、物理法則によって自然に作られるのだ。」と書いていることに対して、欧米ではキリスト教関係者から強い反発を受けているというニュースが流れた。
これまで数冊のホーキングの著書を翻訳・監訳してきたが、今回の本は哲学的要素が強く、これまでの彼の著書とは趣が大きく異なる。
ホーキングは超ひも理論に基づくならばとして、物理法則も空間の次元も異なる宇宙は無数にあり、私たちの住む宇宙はその一つにすぎないと説く。
この本の特色は、ホーキングの言うところの「モデル依存実在論」という哲学、科学の見方によって、この宇宙像を明解に描いたことであろう。
ひも理論研究者は現在、5つのひも理論が「M理論」というさらに基本的な理論の異なる近似と考えているが、ホーキングはこの5つの理論はセットで完全なもので、単一の理論は存在しないのではないかと強調している。
いずれにせよ本書に描かれている内容は、日常世界の感覚からは奇妙奇天烈なものであっても、最先端の研究者たちが描いている最新宇宙論である。
<読後感想>
確かにこの本は現代科学の最先端分野である最新の宇宙論について触れています。
しかし、凡人にとっては常識外の奇想天外な宇宙像が出てくるので、理解するのは難しいと思います。
さらにこの本は、哲学的な考察を加味した「モデル依存実在論」を展開し、「宇宙は神によって創られたのではない」と言及しているために欧米のキリスト教関係者から反発を受けてしまった。
私自身は、これまで天動説か地動説かで議論のあった大昔と同じような話を繰り返しているような印象を持っていますが、ホーキングは哲学界に対しては厳しく、「現代において哲学は死んでしまっているのではないでしょうか。」とまで言っています。
哲学のレベルが科学のレベルに追い付いていないので、両者で対等に議論を展開することが出来ない。これは悲しいことだと言っているのでしょう。
いずれ真理は研究者によって証明されていくことを期待しています。
今回はここまでです。
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萩原行政書士事務所
行政書士 萩原伸一
E-mail: visa.hagi@gmail.com
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