A'sW3-50 extra battle(2)
「私は、3回連続残念賞を狙ってたんですよォ。それが、新城さんに負けてしまうとはねェ」
「アンタ、俺よりもポイントが上回ってしまうとは、計算外だったね」
「ンー。まぁ、仕方ありません。新城さん、つまりロイス3は先に、ドリームジャーニーとブエナビスタの、1-2番人気を投票していましたから。その2頭を私が投票しても、マイナスポイントは追いつけません。それで、フォゲッタブルから先ほどの2頭に流したら、フォゲッタブルが4着ですからネェ。最後は新城さんの粘りに負けて、結果的には貴方よりもポイントが上回ってしまいました。まぁ、ゆかりさんは、そのことをナンとも思ってなければいいんですがネェ」
中原興樹がダートコースに目をやった。ファンファーレが聞こえる。8レースが始まるところだった。
「第3ピリオドの結果は、ゆかりの中では関係なかったと思うね。もう、アンタと俺以外は蚊帳の外でゲームをしてたワケだから」
「ンー、でもですネェ、私は悔しいのですヨォ。私はこの第3ピリオド、完全制覇を目指していた。それが、何1つ制覇できなかったンですからネェ」
「ん? 3連続最下位狙いが、新城と俺によって阻止されたからってことじゃないんですか?」
徹は怪訝な表情をした。それを見た中原興樹は、うすら笑いを浮かべた。
「瀬田さん、貴方は茜さんとはどうされるつもりなんですかァ?」
「ゆかりがダメだったから、すぐに茜ちゃんというわけにはいかない。来年、ゆっくり考えるよ」
「またァ、、ウカウカしてると、逃げられますよォ。奥手だった彼女は、この数カ月で積極性を増しましたヨ。今が、勝負時ですヨ、ンフフフフ」
「おいおい、話をはぐらかすな。茜ちゃんは関係ないだろ」
「関係大有りですよ。私は、茜さんにも負けてしまったんですから」
8レースが決着し、配当がビジョンに表示された。中原興樹は、数枚の馬券を屑かごに捨てた。この8レース、馬券を購入していて、ハズしたようだった。
「茜ちゃんに負けた? 彼女は第3ピリオドは優勝したんだぞ!?」
「その第3ピリオドの2位は誰ですか?」
「確か……『次郎太』って名前の奴だったと」
「その『次郎太』って、私ナンですヨ!」
徹は意味が分からず、中原興樹を睨んでしまった。中原興樹は、携帯電話を操作し、徹に画面を見せつけた。
「これが『次郎太』として、ログインしたSNSの画面ですヨ」
「これって……え?」
「ンー、まだ分かりませんかネェ。このSNSは1人で複数のIDを持つことは可能なんですよ。私の場合は『皇騎』と『次郎太』の2つのハンドルネームを持っていた。
『皇騎』はご存じの通り、最下位を狙っていた。一方『次郎太』は、本当に優勝を狙っていたんです。つまり、4着5着を狙って投票してたンですヨー」
徹は開いた口が塞がらなかった。
『次郎太』…考えてみれば【ANGEL's WINE】で最後まで残った参加者で、唯一 謎のキャラクターだった。
「!」を多用するコメントを書いていた『怪人UMA』は、阪神JFの休止以後、ゲームから離脱した。
他のキャラクターは、徹・ゆかり・茜・中原興樹・新城・小杉と、正体が分かっていた。しかし、唯一の一般参加だと考えていた『次郎太』は、中原興樹の分身だった、ということか。
「イヤネ、第1、第2ピリオドは、まったく成績が奮わなかったんですよ。次郎太は。4着5着を当てるって、とっても難しかった。貴方や新城さんは、才能があったんでしょうね。
第3ピリオド、ようやく次郎太が1位になるチャンスが出てきた。それを見事に阻んだのが、ユーカリさん、つまり茜さんですヨ」
「何のために2つのIDで参加を…」
「やっぱり私は勝負事で1位になりたかった。最後、5ポイント差まで迫ったんですけどねェ、茜さんに。実は最下位争いよりも、茜さんに負けたことが、悔しくてならないのです」
徹は気持ちを切り替えることにした。
「茜と、俺と新城は第3ピリオド、貴方に勝つことができたんですね」
「ン~、悔しい。悔しいけど、そういうことになりますね。ンフフフフ」
徹は、すぐにでも茜に電話したい気分だった。しかし彼女は今日から実家に帰省していると聞いていた。取り出した携帯電話を、ポケットにしまった。
「ところで『次郎太』の名前の由来は?」
「名牝ロジータをモジッたものですよ。私、次男坊なんでネェ」
「ゆかりのお父さんと、境遇が一緒ですね」
「ンフフフフ、これからは違いますよ、きっと」
中原興樹が立ち上がった。
「9レースがもうすぐ発走ですが、メイン10レースのパドック周回もまもなく始まるはずです。
また、ひと勝負しませんか? ジャパンカップと同じく、1着単純予想。今回は賭けるものがありませんが…ひとまずパドックを見ることにしませんかァ?」
ドーデモEデスヨ21

今年の初夢、何故だろうか、ヘンな夢でした。
スピードワゴン・井戸田潤と安達祐実が、出会ってから付きあうまでの夢。
因みにこの二人、何も思い入れはないんですが… しかもとっくに離婚してるし

内容も完全妄想

自分は全く登場せず。
も
も関係なく。この夢、何を暗示してるんだろう…
誰か夢診断してくださいm(_ _)m
話 変わるけど、箱根の新・山の神;柏原(東洋大)は、凄いねぇー。
まだ2年生だからね。あと2年見られると思うと、来年以降も箱根駅伝は楽しみだね


A'sW3-49 extra battle(1)
2009年12月29日。瀬田徹は、中原興樹に指定された通り、正午に大井競馬場に着いた。
「頭の整理はつきましたかねェ」
「まだ……踏ん切りはつかないです。でも、もう勝負がついたことは理解しました」
中原興樹は、大井競馬場新スタンドであるL-WINGの指定席を2人分、確保していた。
「ン-、ゆかりさんは私を選んでくれたのですね。まぁ当然の結果ですよォ。気を落とさないでください」
「1つ聞きたい。アナタは、ゆかりを幸せにする自信がありますか?」
「ン? それは逆に貴方に問いたいですね。瀬田さんは、ゆかりさんを幸せにする自信はあったんですかァ?」
中原興樹は穏やかな表情だったが、ハッキリと意思をもった目をしていた
「貴方、新城さんにヘンなことを吹き込まれたようですね。私が間野家を乗っ取ろうとしているって」
「違うんですか?」
「オヤオヤ、今日は敬語なんですね。いつもの勢いが感じられないですヨ」
「勝敗は着きましたから。年長者に少しは敬意を見せないと。まぁ、自分を抑え込んでいるだけですけど」
「ンフフフ、強がりかもしれませんが、いい心がけだと思います。
ところで、私の目的をはっきりさせましょう。新城さんも推測していることでしょうが、ゆかりさんとは婿養子として結婚したいと思っています」
「そして、乗っ取る、違うんですか?」
「そんなに単純に行くわけがありません。ゆかりさんは間野家の1人娘です。そして間野家は、地元の名家です。外様の私が、そんな簡単に実権を握れるわけがありませんヨ」
窓の向こうではレースが行われていたが、2人は馬券を購入したり、検討する様子はなかった。
「ゆかりって、そんなにお嬢様なのかよ……」
「この前亡くなられた、ゆかりさんのお父さん、彼も婿養子なんですよ」
「えええ?!」
「お見合い結婚らしいですけどね。元は溝口慎二郎というお名前だったようです。婿養子に入って、間野慎二郎の名になったようですが。溝口家もそれなりの家だったようですが、二男だった慎二郎さんは間野家に入った。でも、慎二郎さんは頂点に上り詰めることができなかったンですヨ」
「ゆかりの父親って、どこかの会社の役員だって、新城から聞いたんですが」
「間野家が大株主となっている会社の、専務取締役です。ただ、社長は間野の分家の人です。この前、葬儀に参列したのですが、慎二郎さんは間野家の勢力争いでは立場が弱かったみたいですネェ。社葬でしたが、式の模様や参列者の様子で、分かりました」
徹は絶句し、ただ聞くしかなかった。話の次元が違いすぎる。
「だから私が、何の心構えもなく婿養子に入ったら、ゆかりさんのお父さんの二の舞です。結婚してからが、本当の戦いだと思っています。マァ、ゆかりさんの気持ちを結婚まで持っていくことも大事なんですけどネェ」
「乗っ取りではないとしても、いつ、間野家に魅力を感じたんですか?」
「第1ピリオドが終了して、『残念賞』の案内が来たときです。
私の勘で、管理人の紫さんは、もしかしたらマイナスポイントも大事にしている気はしたんですヨ。本来だったら馬券対象となる部分がマイナスになる。これは何かあるな、ってネェ。
予想が当たり、『残念賞』の案内が来たとき、本名と携帯電話番号が送られました。そして、実家の場所を割り出して、ピンときました。田無近辺は、前の前の会社で営業エリアだったので。間野の姓は、西東京市近辺に散らばっていますが、古くからの名家だってことは情報は収集済みでした。正直言って、本家か分家かは分かりませんでしたが、とんでもないチャンスが舞い込んできた、と思いましたヨ」
徹は、疑問が浮かんでいた。
「貴方は、ゆかりを政略結婚の道具にしようとしてませんか? そこに、愛はあるんですか?」
「ンー、良い質問ですネェ。シビレましたよォ」
中原興樹は、窓の外の、走るサラブレッドの姿を見ていた。
「愛……ありますよォ。彼女はとってもチャーミング。ただ、とっても繊細です。天真爛漫な部分はありますが、それは演技ですね。名家のお嬢様から逃げ出して、自由奔放を装っていたんだと思います。それは、私との接し方でもありましたからねェ。でも、彼女の奥底にあるのは、『お嬢様』部分といつも闘っている緊張感。つまり、とってもデリケートなんです。
私は、、そのデリケートな部分に、魅力を感じました。何というんでしょう、危険な香りですかね。ンフフフフ。
瀬田さんが感じていた好意とは異質だとは思います。理解できませんかネェ」
「負けた私には、もう何も言う気力は、ございません」
徹は、自分から質問したが、皇騎のゆかりに対する感情を、途中から聞きたくなくなっていた。正直、耳を塞ぎたかった。
徹が愛した、ゆかりの天真爛漫、自由奔放な部分を『演技』と言われたことに、嫌気と虚しさを感じた。
「勝ち負けですか…そういう意味ではあのゲームの第3ピリオド、私はとっても悔しい思いですよォ」
「そういえば、皇騎は最下位になれませんでしたからね」
「それもそうなんですが、もう1つの戦いを、第3ピリオドでは していましたからネェ」
「え? 何ですか?」
第3ピリオドにおける、中原興樹のもう1つの戦い。徹は、想像もつかない話だった。
閑話休題44(CHANGE!)
ブログネタ:2010年!“バージョンアップ宣言”しよう!
参加中2010年になりましたね。喪中のため、「おめでとう」の類は不要です。






