失って初めて気付いたモノ | 中村恭輔 オフィシャルブログ

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非日常を創造する僕の日常

僕は少年期より石ノ森章太郎先生による漫画作品「サイボーグ009」や「仮面ライダー」といった改造人間に憧れを持っていました。


改造手術により人を超えた力を持つカッコいい存在。

しかし、彼らは改造人間である事に苦悩していたのです。

しかし、子供の僕には、その苦悩の意味が理解出来ていませんでした。


そして33年前、僕が中学3年だった1990年2月。

不慮の事故により、僕は上の前歯2本を失いました。

口から飛び出した白い歯のカケラと激痛。そしておびただしい流血。

その瞬間何が起きたか理解出来ませんでした。

今でもその記憶が時折甦る度に背筋が寒くなります。


歯科に担ぎ込まれた僕は、即手術を受ける事に。


そして、その日から差し歯で暮らす日々が始まりました。

能天気な僕は普通の人ではない、まさに改造人間になった気分で、愚かにも一寸ばかり得意になっていました。


しかし、時が経つにつれ、悲しい思いに襲われるようになりました。


差し歯は壊れ易いので、ご飯を食べる時は何時も気を使い、食事を楽しめない。

好物の煎餅など固いものを食べる時は特にそうです。

それ以外にも、噛み合わせの関係でいつ壊れるかも知れないという恐怖といつも隣り合わせ。


そして、何より辛いのが「本物の前歯はもう二度と一生元に戻らない」という哀しみ。

失って初めて気付いたモノ。


この感情を知った時、初めて仮面ライダーたち改造人間の持つ苦悩が理解出来た気が致します。

「たかが差し歯程度で大げさな。世の中にはもっと不自由で辛い思いをしている人が大勢いる」

とお思いの方は沢山いらっしゃるかと存じます。

これはあくまで、まだ世間知らずの15歳の少年なりの発想だったとご理解頂ければと思います。


さて、もはや身体の一部となった我が差し歯、遂に経年劣化も激しくなりました

この度、新調する運びとなりました。


明日から歯科通いが始まります。