
↑DIYしたワイヤレスLEDライトも、ワイヤレス電源にかざすと光ります
ケーブルなしで給電できる不思議
Aliexpressならば、送料が安いまたは無料であることや消費税がかからない分、国内の業者から購入するより少し割安で買い物ができます。配達も大概5、6日我慢すれば届くようになりました。物価高の折、買い物はもっぱらAliexpressだのみとなっている感があります。しかも、買うのは少しでも円高の時。円で買う商品の価格は下がるはずですから。
ところが、円高でもみな安くなるわけではなさそうです。いつも同じ円表示価格のものはまだしも、逆に高くなっていくものもあって、ままなりません。
そんな中で、結構安価だったワイヤレス電源なる商品を、ついつい購入してしまいました。DIYすれば、失敗しそうだし、高くつきそうなので…
■原理は電磁誘導
ワイヤレス電源といえば、スマホの充電でおなじみで目新しくもないでしょうが、古い人間にとっては、ケーブルとかなしに電気が得られるというのは、不思議ぽっく魅力的に映るものです。
不思議ぽいといえば、前回話題とした空中に物体を映し出す3Dホログラムもそうだったわけですが、その流れでどうにもワイヤレス給電を試さずにはおれなくなったもの。困ったものではあります。
以前、電池と磁石を使って銅線を回転させる単極モーターを試してみたことを、当ブログに書いたことがあります。双極モーターしか知らなかったので新鮮な驚きがありましたが、小学生時分に電気と磁石で回る双極モーターをこしらえた時は、磁力の働きで回るのは当たり前とあまり不思議には感じなかったものです。

↑電磁誘導といえばよくこのような図が示されます
逆に、磁石あるいはコイルを回すことで電気が生まれる発電機の方だと、考えてみれば少し不思議に思えます。発電機も発動機(モーター)も基本的には同じ構造。いずれも、ファラデーの法則で有名な電磁誘導という原理を利用したものであることは、よく知られています。
今回の話題であるワイヤレス給電も、この原理を利用したもの(!) 断定的な物言いをしていますが、文献などに当たることなく書いていますので、以後お読みの際は眉唾物とお考え下さい。急がば回れと言いますが、元来面倒くさがりな上、近頃は眼も急速に悪くなりものを読むのが辛くなってきたこともあって、事前学習なしでいつもながらの闇雲流で試した結果を記します。

↑購入したワイヤレス電源とワイヤレスLEDライト
Aliexpressで購入したのは、コイル誘導タイプのワイヤレストランスミッター(Type-C 5V電源 静電流120mA、コイルサイズ75mm)と5個のワイヤレスLEDレシーバーライトのセット。反応距離は0~120mm。価格は755円でした。秋月電子でも、物価高騰前の在庫なのか同じくらいの価格でセットが売られていますが、送料が必要です。
■送信用ワイヤレス給電コイルでワイヤレスLEDライトを試す
5㎜ほどの大きさのワイヤレスLEDレシーバーライトには、ワイヤーが巻かれており電磁誘導用の2次コイルと思われますが、磁性を帯びているのはなぜか? LEDライト同士引っ付き合うものの磁力は弱く、固定用とは考えにくいとなれば、電磁誘導にかかわるものでしょうか?

↑ワイヤレス電源の1次コイルの外側や上方に置いたワイヤレスLEDも光ります
反応距離は、トランスミッター上にLEDライトをかざして測ってみたところ、青のLEDライトが85㎜、緑が120㎜程度持ち上げると点灯しなくなり、赤やオレンジは120㎜以上でも点灯しました。
■ワイヤレスLEDライトを自作する
出来合いのワイヤレスLEDレシーバーライトに代えて、銅線を巻いてこしらえたコイルにLEDライトにつなぎ、ワイヤレスLEDレシーバーライトをDIYしてみました。
① コイルの巻き数が多いほどLEDライトは明るくなる
手元にある配線用のポリウレタン銅線(線径0.26㎜)を使って1重と3重のコイルをつくりました。これにLEDライトをつけ、トランスミッターにかざしてみました。コイルが1重でも光は弱いものの点灯します。3重ではあくまでも主観ですが結構明るく点灯します。
銅線を巻いてコイルにする代わりに、太くすれば明るくなるのかを試してみました。手元に単極モーターに使った銅線(線径0.9㎜)の残りがあったのでこれを使いました。1重でも太い銅線の方が明るく光るように見えます。
②銅線はエナメル被服のものを
なお、太い銅線を3重にしてみたところ、明るくなるどころか発熱しました。電磁誘導をとりあげたサイトでは、コイルに使う銅線の種類についてまでふれられておらずにいぶかしく思っていましたが、案の定エナメル被服のない銅線では短絡してしまうのでしょう。銅線をコイル状にするなら、エナメルなどで被覆した銅線を使うのが常識かな。
電流も電圧もはからず、計算もせずに闇雲で作っていますが、かなり強く発光するので、4重巻き(線径0.55mm)ともなればさすがに抵抗を入れる気になりました。

↑左上:線径0.9㎜1重コイル、右上:0.55mm4重コイル、下:0.26mm3重コイル
③RGBイルミネーションフルカラーLEDは使えない
LEDライトをRGBイルミネーションフルカラーLEDに変えてみました。時間の経過とともに自動的に色が変化していくタイプのLEDです。ところが、最初に赤色に点灯したまま色が変化することはありませんでした。
おそらくレンツの法則(注1)のかかわりでしょう。磁束の変化がなければ電流は流れず、LEDは点灯し続けることができないから。基板を見ても私にはわかりませんが、おそらくトランスミッターに磁束を増減させる回路が組まれているのでしょう。そのため、LEDライトは色の変化を起こす暇もなく、電源がON/OFFの状態が繰り返され、最初の赤色だけが点灯し続けるようにみえるのでしょう。
■置くだけ
これまでいくつもの光るアクリル板をつくってきましたが、いずれもLEDライトを組み込み済みのスタンドを用意していました。アクリル板に微妙な厚さの違いがあって、スタンドのスリットに合わないとアクリル板が立てられず、事実上アクリル板毎に専用のスタンドが必要になっています。いちいち作るのはたいそうです。しかも、LEDの色を変えたくても他のスタンドに差し替えられないとなると、その度にLEDを取り換えなければなりません。光るアクリル板にRGBイルミネーションフルカラーLEDを使いたくなる所以です。
しかも、光るアクリル板を変えたい場合にはスタンドごと代えなくてはなりませんから、電源の差し替えも必要になってすこぶる面倒です。
ところが、ワイヤレス電源を使えば、ワイヤレスLEDライトをその上に置き、アクリル板を載せた簡易なスタンドをかぶせるだけで、光るアクリル板を飾りたいものに簡単に変更がすることができます。まさに置くだけですから、こんな楽なことはありません。

↑ワイヤレス電源のおかげで、置くだけで光るアクリル板
注1)誘導電流は、常にその原因となる磁束の変化を妨げるような向きに流れる、というもの。エネルギー保存の法則にかかわる物理学の基本原理の一つです。誘導電流では、たとえば磁気エネルギーが電気エネルギーに変換される過程で、エネルギーが保存されます。