仮想敵飛行隊VFC-111サンダウナーズ(2) | virt_flyのブログ

virt_flyのブログ

フライトシミュレーターソフトのFlightGearで仮想飛行を楽しむブログです。

↑まるで日本の飛行機のようと喜んではいられない!サンダウナーズは敗戦国であることを忘れさせないため⁉

 

日本経済の衰退の背景には米国の支配

 

サンダウナーズとは、もともと第2次大戦中の1942年に日本軍に対抗するために創設された米海軍の第11戦闘飛行隊(VF-11)に与えられた名前です。日の丸の国、日の丸を付けた飛行機(sun)を叩き落とす(dowun)イメージで付けられたものでしょうか。

 

飛行隊の記章の図柄も、黄色の空を背景に夕日と思われる赤いお日様が米軍機らしい2機の飛行機により撃ち落とされて海に半分沈みかかった様子に見えます(注1)

 

戦闘機の尾翼に、放射状に光を放つ太陽の図柄が描かれるようになったのは戦後。1948年に第111戦闘飛行隊(VF-111)として再指定されてからのことのようです。第2次大戦中に旭日まがいのマークを付けて飛んだら味方に撃ち落とされかねませんものね。

 

VF-111は1951年に廃止となり、翌日第156攻撃飛行隊(VA-156)がVF-111に再指定され、冷戦終了に伴い1995年に廃止されるまで、指定を引き継ぎました。現在は、2006年に第13混成戦闘飛行隊(VFC-13)が第111混成戦闘飛行隊(VFC-111)に指定され、サンダウナーズの記章、コールサインが引き継がれています。

 

戦後75年以上になろうというのに、サンダウナーズが飛び続けているということは、今も米国は日本を敵国扱いしているにほかなりません(注2)。日本が友好国ならサンダウナーズなどと日本を蔑んだ失礼な名称を使うのは控えるはず。あえてサンダウナーズの呼称を使い続けるのは、「逆らえば容赦しないぞ」と戦勝国が敗戦国に教訓を垂れる意図があるからなのでしょう。

 

お日様マークだって、決して日本をリスペクトした旭日ではなく、逆にサンダウナーズの名前どおりにディスペクトした落日と素直に受け取るべきでしょう(注3)

 

実際、諸外国に例を見ない多数の在日米軍基地が存在し、首都にまで基地が置かれ、しかも米議会で高官が証言したように在日米軍に日本を守る部隊は一つもなく(注4)、占領軍まがいの特権を在日米軍に保証する超憲法的な地位協定があって、まさに日本は米軍にがんじがらめにされ喉元(首都)にナイフ(米軍基地)を突き付けられて逆らえない状況がこれまで続いてきました。

 

そのめため、どれほどの被害を日本は被ってきたことでしょう。米軍機の墜落や沖縄の基地被害だけではなく、経済的にも日本の輸出を抑える意図的な円高をプラザ合意で飲まされ、また最近話題の半導体でも、86年から10年間の日米半導体協定で海外製参入などを押し付けられ世界の50%余というダントツの売上げを誇った日本の半導体生産は10%のシェアにまで衰退しました。今回の九州への半導体工場の誘致では4000億円以上の血税を投入し、最新技術の流出を恐れる台湾のTSMCから1世代以上前の技術の工場を誘致することになる体たらく。日本には5nm FinFET技術で作られた高性能半導体を使いこなすだけの企業・工場がないのだそうです。

 

米軍機に旭日が描かれているなどと勘違いにしろ、とても喜んでいる場合ではありません。

 

↑FlightGearのF-5Eにサンダウナーズのペイントをほどこしました。真ん中は向かって左のロービジタイプ。垂直尾翼尾翼全体に落日を描いた右は、2つのタイプを見つけましたが、文字が赤色のタイプは国籍マークが今一つ不明確だったので黒字のタイプを採用。迷彩塗装は同じパターンの使いまわしのインチキです。

 

 

注1)英語版のVF-111についてのWikipediaによれば、飛行隊の記章の図柄自体「昇る太陽を撃ち落とす2機のワイルドキャット」を描いたものとしているものの、根拠が示されているわけではありません。

 

注2)国連憲章には旧敵国条項があり、「第2次世界大戦中に連合国の敵国だった国」が、戦争により確定した事項を無効に、または排除した場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可がなくとも、当該国に対して軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は制止できないとしています。条項の削除は各国の批准待ちとなっていて、現在加盟国の3分の2に至らず条項は存続し続けています。

 

注3)垂直尾翼に描かれたマークも昇る太陽でないとは言い切れませんが、日本が勢いを持っていた頃はいざ知らず失った敗戦後のこととなると、サンダウナーズの名の通り落日とするのが一番違和感がないように思います。日本をリスペクトし、落日でなく旭日を描いているのなら、サンライザーとでも改称されていいはずです。問題は、旭日か落日かでなく、いまだに敵国扱いが続いていることにこそ核心あるのであって、そこから目をそらしてはならいでしょう。

 

注4)日米安保条約の第5条は、NATO条約の第5条と違って米軍に日本防衛の義務を定めてはいないことは常識。そのことは、1970年1月26日の米上院外交委員会の秘密会(サイミントン委員会)でのジョンソン国務次官による「日本防衛の第一義的な責任は完全に日本側にある。われわれは地上にも空にも、日本の直接的な非核防衛に関する部隊は持っていない。今やそれは、完全に日本の責任である」との発言でも明白です。